2020 Fiscal Year Research-status Report
The effect of horizontal supplier-supplier relationship on vertical buyer-supplier transaction
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20K01945
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
小阪 玄次郎 上智大学, 経済学部, 准教授 (90582297)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サプライチェーン・マネジメント / レジリエンス / 自動車産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「企業間の取引関係において、サプライヤー間関係のありかたが、バイヤーとの取引関係にどのような影響を及ぼしているのか」を明らかにすることを目的として出発した。 研究初年度にあたる令和2年度は、外部環境の急激な変化により、年度の前半に予定していた資料の収集に支障を来たすこととなった。他方で、先行研究の検討を進めた結果、本研究の鍵となる概念の一つとして、レジリエンスという切り口を見いだすことができた。企業間の取引関係、サプライチェーンにおけるレジリエンスとは、外的なショックを被った後でサプライチェーンをすばやく復旧あるいは元よりも良い状態にすることを指す。外部環境の急変によるサプライチェーンの破断を克服するためのレジリエンスは、先行研究で注目されているということばかりでなく、まさに現代的な意義のある視点と言えるだろう。 レジリエンスをもたらす先行要因として、先行研究では、バイヤー・サプライヤー間の情報共有や信頼、資源配分の柔軟性、適時の計画・実行能力、といった要因があると考えられている。これらの要因は、日本の自動車産業の取引関係において、高い製品開発成果を実現するためのバイヤー・サプライヤー関係のあり方として長く指摘されてきたものと一致する。そのため本研究では、自動車産業におけるそれらの要因およびレジリエンスを操作化・測定し、分析を進めていく。初期的な分析の成果については、令和2年度の国際学会ワークショップ報告を行ってフィードバックを得、今後、令和3年度の国際学会において報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた資料収集には支障があったものの、先行研究の検討を進め、次年度以降の研究上の視点をおおむね確立することができた。また、初期的なデータ分析の成果を論文にまとめ、令和3年度に開催される国際学会報告に採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、採択が決定している国際学会報告を行い、そのフィードバックをふまえつつ、やや進捗が遅れているデータセットの完成と分析を順次進める。
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Causes of Carryover |
外部環境の変化にともない、データの収集・入力があまり行えなかったこと、国際学会が急遽オンライン開催となったことで、当初使用予定額を使うことができなかった。 今後の国際学会の開催状況についてはいまだ不確かであるが、データの収集・入力や、英語論文の作成にかかる費用のために次年度使用する予定である。
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