2022 Fiscal Year Research-status Report
外部環境の変化に伴う中国製造業企業の成長戦略と競争力に関する研究
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20K01952
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
陳 晋 立命館大学, 経営学部, 教授 (20341670)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ビジネス・エコシステム / 中国の商業ドローン / 成長戦略 / 競争優位 / プラットフォーム構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ビジネス・エコシステムの視角から,現在世界の商用ドローン業界を牽引している中国の商業ドローンメーカーである大疆創新科技有限公司(Dajiang Innovation Technology Inc,略称DJI)の成長戦略についてプラットフォーム理論で分析している。 21世紀に入ると,情報のネットワーク化に従って産業構造の転換は非デジタル型産業の領域にまで急速に拡大し,先進国企業と新興国企業がグローバル産業構造を1つのビジネス・エコシステム型へ発展させている。 2006年に設立したDJIは,業界では初めてドローン制御システムなどのコア・コンポーネントを自ら開発し,2013年に自社が開発したドローン「Phantom」がアメリカで発売されると,短期間で世界商用ドローン市場シェアの70%を占め,現在までその優位性をキープしている。Drone Industry Insightsによれば,DJIは2019年度に世界の商用ドローン台数の78.8%を占めている。DJIの製品はすでに空中写真・映画製作・農業生産・不動産検査・ニュース報道・消防・救援活動・エネルギー探査・リモートセンシングによるマッピング・野生動物保護などの領域に広く応用されている。その中でDJIは,オープン標準を設定し,共存企業や顧客・ユーザー企業と連携しながらプラットフォーム戦略を展開している。 以上の認識のもとに,本研究ではビジネス・エコシステムの視角から,DJIがどのように競争優位を獲得しプラットフォームを構築してきたか,そのプラットフォーム戦略はどのように展開しているか,という問題関心(key research question)を解明している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響で現地調査ができなくて、公開している書籍・論文・資料を調べる以外、主にインタネットを利用して最新資料を探しているので、一次資料が足りなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、コロナの影響はだいぶ緩和されているので、これから夏休みや春休みを利用して内外企業と市場の調査を行うつもりである。また、引き続きオンラインの研究条件を活用して調査活動を推進し、今までの研究を進化していく。学会に出席して学者たちと意見を交流しながら研究成果を公表していきたい。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で内外調査が計画通りに進まなかったため、次年度使用額が生じた。これから夏休みや春休みを利用して内外企業や市場の調査、及び学術交流を行う時に活用していきたい。
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