2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K01955
|
Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
奥 康平 阪南大学, 経営情報学部, 准教授 (40549812)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | グループ経営 / 持株会社 / 企業の境界 / 経営統合 / グループ企業 / グループ戦略 / 中間組織 / 準市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、「企業グループ経営に関するアンケート調査」を実施した。具体的には、東証プライム市場(旧、東証一部市場)に上場している、約2000社への郵送でのアンケート発送を行い、約150社からの回答を得ることができた。想定した回収率(10%)を若干下回る結果ではあったものの、十分に統計的分析に耐えうるデータを得ることができたと判断している。 現在は、150社分のアンケート調査結果に関するデータ整理並びに統計資料として活用を行うためのデータ分析の準備を行っているところである。また、最終成果としての論文作成の準備として、グループ経営や本社組織、さらには持株会社(ホールディングス)経営などに関する文献や資料収集なども行った。 本調査結果について現状で明らかになっていることは、(1)アンケート調査企業の37.9%は監査等委員会設置会社であること、(2)アンケート調査企業の22.8%は純粋持株会社を本社形態としていること、(3)アンケート調査企業のうち77.2%の企業は関連子会社数が30社未満であること。他方で、関連子会社数が100社以上の企業は、6.9%とごく少数であること。(4)関連子会社の区分において、法的な基準以外にも長期的な取引関係(いわゆる系列など)などによってグループ企業であると認識している事例があること、(5)グループ経営においては、73.8%の企業がグループ規模の拡大を志向していること、(6)本社が関連子会社に有する権限には、その関連子会社の重要度によって差があること、などが明らかになっている。 最終年度である2023年度は、本調査結果を活かし、本結果をより精緻化しつつ、研究者所属機関への投稿論文としての成果報告を行うこととする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
想定以上にアンケート結果のデータ入力・整理作業に時間を要したため若干の遅れをもって研究を進めている。特に、返送されたアンケート回答結果の多くに欠損値(未記入や誤記入など)があるため、統計処理に適したデータファイル化することに関してやや多くの時間を要した。現在は、欠損値も踏まえたデータ処理とデータ整理作業はおおよそ完了しているため、今後は予定通り、本結果を活用した論文作成を行うことができる見込みである。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度に実施したアンケート結果を活かした、最終成果物としての論文作成を行うことを最大の目的とする。加えて、アンケート結果の内容の解釈を行う際の理論的説明を行うために、日本におけるグループ経営などに関する文献などを用いた理論的研究も引き続き行う予定である。
|
Causes of Carryover |
学生アルバイトの有効活用により、当初見積金額以上に人件費の圧縮ができたこと。また旅費に関して資料収集や企業調査を想定して見積もったものの、WEBなどのデジタルデータを活用することができたため、他大学などに出向く必要がなかったこと。企業調査などに関しては、コロナ禍が一部分野で継続していたこともありその実施ができなかったことから次年度使用額が発生した。 次年度は、本研究をさらに効率的かつ有効的に進めていくために、人件費や旅費などに活用していく予定である。
|