2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K01962
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 拓也 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (60386539)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ダイナミック・プライシング / 価格公平性知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイナミック・プライシングは、売れ行きや客数などに応じて柔軟に価格を変更する価格設定の手法であり、交通機関や宿泊施設などでは古くから採用されているが、AIの発達とともに、最近、導入されるケースが増加している。ところがダイナミック・プライシングは、同じ製品・サービスに対して消費者ごとに異なる価格を請求するものであるため、時として消費者の不公平性を生じさせ、企業への不信感につながる可能性がある。消費者からの反感を抑えるためにはどの程度の価格幅およびタイミングで価格を変動させるかが問題となる。そこで本研究では、価格公平性知覚という観点から効果的なダイナミック・プライシングについて提示する目的で実施した。 令和3年度は、令和2年度に実施できなかった調査および分析に向けて、理論構築および仮説設定から着手した。しかし令和3年度に引き続きコロナ対応に追われたことと、研究代表者の健康上の問題が発生したため、調査の実施が困難となった。そこで、最適なダイナミック・プライシングに関するモデルを提示する前段階として、製品の提供方法に着目したプライシングについて過去の研究を概観し、その結果をペーパーにまとめた。 考察から、まず単一製品のみを提供している場合のプライシングの場合はモデル構築が比較的容易であることが明らかとなった。ただし、現実には複数製品を提供しているケースが多いため、この場合のプライシングについても考察を行い、留保価格に着目したプライシング・モデルが多いことが明らかとなった。また、製品の特性と関連して、普及速度を考慮したプライシング研究を概観し、その多くがBassモデルに価格を追加した修正形を提示したものであることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和3年度に引き続きコロナ対応に追われたのに加え、令和3年7月に指定難病の潰瘍性大腸炎と診断され、その治療のためしばしば研究活動を停止せざるを得なかった(寛解時には研究をある程度進めることができたが、炎症の活動時には入院には至らなかったものの頻繁に通院しなければならず、研究に時間を割くことができなかった)。そのため、研究が当初の予定より大幅に遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年4月現在、潰瘍性大腸炎の症状は落ち着いているため、定期的な通院は必要であるが症状が再燃しない限りは研究へ時間を割けると思われる。令和3年度に予定していたWeb調査に向けて準備を進め、7月ないしは8月を目途に調査を実施する予定である。同時に、最適なダイナミック・プライシングのモデル構築に向け、理論的な考察を進める。 ただし、潰瘍性大腸炎の症状が悪化した場合は中断を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症、および研究代表者健康上の問題の影響で予定していた調査を実施できなかった。そのため、調査に充てる予定だった費用を繰り越すことになった。 この費用については、令和3年度実施できなかった調査費用に充てる。なお、当初は令和2年度および令和3年度の2回にわたって調査を実施する予定であったが、調査デザインを大幅に見直し、令和4年度に1回の調査を実施する。
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Research Products
(1 results)