2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K01962
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 拓也 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (60386539)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ダイナミック・プライシング / 価格公平性知覚 / 外的参照価格 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、2021年度に引き続き仮説設定のための理論構築から着手した。その過程で、消費者の特性を考慮したプライシングに関する考察を行い、論文にまとめた。ダイナミック・プライシングは売れ行きや客数等に応じて価格を柔軟に変動させるプライシングの手法であるため、価格変動に対する消費者の反応について考察する必要があるためである。また、このような消費者の反応および特性を考慮したプライシング研究は過去に数多く行われており、効果的なダイナミック・プライシングについて論考を深めるためにも、消費者の特性を考慮したプライシングについて考察する必要がある。このことから、効果的なダイナミック・プライシングについて仮説構築を行うことと並行して、消費者の特性を考慮したプライシングについて考察を行った。 消費者の特性を考慮したプライシングについては、価格に対する消費者の認識、とりわけ参照価格と価格-品質スキーマの観点から考察を行い、内的参照価格に加え近年では外的参照価格の重要性が高まっていること、および価格-品質スキーマについては従来から認められているものの他の手がかりが存在する場合はスキーマが弱まることが明らかとなった。なお、ダイナミック・プライシングでは変動前の価格が外的参照価格として作用する可能性があるため、効果的なダイナミック・プライシングを考える際には外的参照価格の存在を考慮すべきであると思われる。次に、実際のプライシングについては、個人または単一セグメントを想定した場合と複数セグメントを想定した場合でそれぞれプライシングのパターンが異なることが明らかとなった。 こうしたファインディングスを踏まえ、本研究課題である効果的なダイナミック・プライシングについて研究を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度に発症した潰瘍性大腸炎は寛解状態にあり、体調面では特に問題がなかったが、学内行政に時間を割かれることが多く、研究の時間を必ずしも十分に取れなかった。加えて、他大学へ転出することが決まり、その手続き等に忙殺されたため予定通りに研究を進めることができなかった。なお、年度後半に経度ではあったが潰瘍性大腸炎が再燃したことも影響した。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在進行中である仮説構築を遅くとも7月前半までに完了させ、その後調査を実施する。調査はWeb調査を予定している。調査は、架空のオンラインショップを設定し、価格を変動させた上で価格に対する態度や購買意図など消費者の反応を測定する。 その測定をもとに、価格の変動幅や変動のタイミング等、効果的なダイナミック・プライシングについてモデル構築を行う予定である。モデル構築を行ったら、購買データ等を用いてパラメータの推定を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
研究の遅れにより調査を実施できなかったため、調査費用を繰り越すことになった。2023年度は8~9月を目途にWeb調査を実施する予定である。なお調査は、Web調査を専門とする調査会社に委託する予定である(業者未定)。
|
Research Products
(2 results)