2020 Fiscal Year Research-status Report
Deep Learningを活用した広告コンテンツにおけるブランド混同の解明
Project/Area Number |
20K01963
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中山 厚穂 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (60434198)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Artificial intelligence / ブランドストーリーテリング / Classification / Deep Learning / Imagery brand confusion / Image data analysis / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
消費者はSNSなどを通じてテキスト、画像、動画を投稿し自分の興味、関心を共有している。これらの投稿は消費者のブランドに対するイメージや自分の興味関心と強い関連があると考えられ、それらをマーケティングのために活用することは重要な課題といえる。消費者が各ブランドの画像や動画をどのように識別しているかを明確にできれば、ブランド間の差別化や類似性が明らかとなり、企業が行っているブランドコミュニケーションがうまく行われているかを明らかにできる。マーケターが膨大なデータの中から価値ある情報を見つけるために人工知能(Artificial Intelligence 、AI)を活用するケースが増えており、AIのマーケティング活動への活用に関心が高まっている。本研究課題ではDeep Learning を活用してWebに投稿されている写真や動画をマーケティングのために活用することを目的として研究を実施した。 コンテンツベースの画像検索(Content-Based Image Retrieval)における重要な課題はセマンティックギャップと呼ばれるギャップの存在である。ユーザーがセマンティックな類似性を求めるが、データベースはデータ処理によってのみ類似性を判断するためギャップが生じる。マーケティング上の視点から、この課題を解決するためにDeep Learningを用いてブランド広告の特徴を比較検討し、広告コンテンツにおけるブランド混同のメカニズムを解明する。そして、学習結果に基づいて、ブランドイメージと類似性判断の構造との類似性が明らかとすることでセマンティックギャップという重要な課題を解決した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題ではDeep Learning を活用してWebに投稿されている写真や動画をマーケティングのために活用することを目的として研究を実施した。 コンテンツベースの画像検索(Content-Based Image Retrieval)における重要な課題としては、セマンティックギャップと呼ばれるギャップの存在があげられる。これはユーザーはセマンティックな類似性を求めるが、データベースはデータ処理によってのみ類似性を判断するためにギャップが生じることである。マーケティング上の視点から、この課題を解決するためにてConvolutional Neural Network model(CNN)を用いてブランド広告の特徴を比較検討し、ビールのブランドの画像または動画を収集し、広告コンテンツにおけるブランド混同のメカニズムを解明を目指して研究を行った。その結果、Deep Learningによる学習結果に基づいて、ブランドイメージと類似性判断の構造との類似性が明らかとすることができた。そのため本研究課題の進捗はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
様々なブランドの画像または動画を収集し,それらをPythonのKerasを用いてConvolutional Neural Network model(CNN)を用いて分析を行う。その結果に基づいて、消費者が各ブランドについてどのようなイメージをいだいているかを明らかとする。また、t-distributed Stochastic Neighbor Embedding(t-SNE)などの高次元データを視覚化するための方法を用いて、訓練されたモデルの最終層の特徴を可視化し、画像間の類似性を把握する。分析結果から、各企業が行っているストーリーテリングに基づいた各ブランドの差別化と混同の状況を明らかとする。各企業が差別化戦略や模倣戦略など、どのようなコミュニケーション戦略を行っているのかを解明し、どのブランドが顧客のコミュニケーションにより有意性をもっているのかを示す。そして、各ブランドの画像を識別するにあたりCNNが画像のどの部分に注目しているのかを把握するために、Gradient weighted Class Activation Map(Grad-CAM)による分析を行う。これにより、CNNが画像のどの部分をどのように認識することで、企業のストーリーテリングを理解しているのかを解明する。さらに、訓練されたモデルによるAIによるブランドストーリーの認識と、消費者のブランド認識について比較する。消費者がWebに投稿しているブランドについての画像を収集し、動画広告から切り出した画像をもとに学習した結果を用いてブランド識別を行う。訓練されたモデルによるAIによるブランドストーリーの認識と、消費者のブランド認識とが一致しているブランドと相違しているブランドを明らかとする。以上の研究成果を踏まえて、AIを使用した広告の効果を検証する。
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Causes of Carryover |
今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、当初発表する予定であった国際学会や酷な学会での発表が中止や延期となったため使用できない経費が生じた。次年度以降に延期となった学会に参加することで経費を利用する予定である。
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Research Products
(13 results)