2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K01973
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小川 智由 明治大学, 商学部, 専任教授 (20169189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 真人 高千穂大学, 商学部, 教授 (50317658)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サービス / シェアリング / 価値共創 / 資源統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
シェアリングにおける理論的検討とケース研究を行った。シェアリングは、現象として存在していたものの、マーケティングや消費研究においてあまり注目されてこなかった。これはこれら研究領域が、商品やサービスの販売と交換を研究の起点および分析単位にしていたことによるためである。しかし、近年、情報コミュニケーション技術が向上し、さらに消費者側の意識が所有を重視しないことによって、シェアリングが注目されるようになっている。つまり、シェアリングを研究するにあたって重要となる理論的な視点は、商品とその対価の交換というグッズ・ドミナント・ロジックではなく、取引をズーミング・アウトしているサービス・ドミナント・ロジックの視点が強調される。 そのため、本年度ではサービス・ドミナント・ロジックの視点から第一にサービスの可視化としてシェアリングを捉える必要性、第二に消費者がもつ私的資源と消費との関係を明らかにすることから資源化のプロセスを明らかにし、第三にシェアリングにおける制度の関係について考察した。さらに、シェアリングにおいては、消費者側の問題が重視されることになる。消費者自身が資源を保有するということではなく、共有する枠組みとして、価値創出への関わりが重要となる。この点で、熱狂者もしくはマニアという視点について、他者との関係を考察している。この点は、シェアリングにおいて重要となる消費者間のネットワークを検討する上で重要となる。 さらに、シェアリングサービスを提供している企業についてケース研究を行っている。これらのケースからは消費者の資源化を促進する仕組みが重要ではないかということが推察されているため、今後の検討課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍であることが進捗にポジティブおよびネガティブに影響を与えている。まず、ビジネス環境が変化していることで調査の実施が遅れている。これについては最終年度に実施することで対応する。一方、コロナ禍によってシェアリングが注目されており、ケースの分析において多様な視点からアプローチを可能としているため、研究に新しい方向性をもたらしている。これらをふまえると順調に進展しているということができる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から企業側および消費者側の双方について検討が必要となると思われる。特に環境問題から企業も資源の活用について意識が出てきていることから社会的な環境の状況を検討要因に加えて、研究を進めていく予定である。そこで、消費者、特にZ世代とよばれる年代のシェアリングに関する意識を分析しながら、企業の対応について検討をすることを予定している。これらは定量的調査を予定しているが、シェアリングの研究については概念的、理論的進展が求められることからも定性的調査と組み合わせで実施する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、出張に係わる経費が発生しなかったためである。2022年度nこれらを利用するコトを予定している。
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Research Products
(5 results)