2021 Fiscal Year Research-status Report
Consumer Behavior Modeling for Super Smart Marketing
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20K01983
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石垣 司 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (20469597)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 消費者行動モデリング / ビッグデータ / スマート社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
購買ビッグデータを用いた個別化マーケティングの高度化は学術界・産業界で課題となっている。購買データベースに基づいて個別の消費者の特性に合わせて展開される個別化マーケティングと親和性が高い。特に、購買ビッグデータを用いた大量の消費者、多種多様な商品、消費者状態の時間変化などに対応できる超スマートなマーケティングの実現は現代的な課題の一つである。多種多様な商品の購買ビッグデータを用いたマーケティングを考えると、従来の経済学的なマーケティングモデルでは計算量が巨大化してパラメータの推定が困難となる。一方、機械学習手法を用いた個人の購買行動予測のための購買ビッグデータ分析では、マーケティング活動に対する消費者の反応メカニズムや、参照価格に代表される消費者状態の時間変化を考慮していない。そのため、マーケティング研究が志向する、消費者が購買行動に至るメカニズムに関する高度な知見を直接的に得ることは難しい。 本研究では、購買ビッグデータから「必要としている消費者×必要な商品×有効なマーケティング施策×必要な時」の情報を抽出することができる超スマートなマーケティングを実現する消費者行動モデルの研究を行っている。今年度は、①超スマートマーケティングモデルの時系列モデルへの発展と②多種多様な商品の情報と関係性をとらえることを目的とした知識グラフを用いた推薦システムの2つの研究を主に行った。①に関しては、ID付スキャンパネルデータを用いた実証分析を行っている。開発しているマーケティングモデルの時系列化は終了し、今後は細部の調整と結果の解釈などが必要となる。②に関しては、知識グラフやグラフ構造の近接性の指標を取り入れた推薦システムの高度化に関する研究を行った。グラフ構造や近接性の概念を取り入れることで従来の方法と比べて高い推薦精度を実現できる可能性があることをオープンデータを用いて実証的に示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、小目標1:超スマートマーケティングモデルの開発と実装、小目標2: ID付きPOSデータとスキャンパネルデータを用いた実証分析、最終目標:個別化マーケティングのための知見抽出と段階を分けて、最終目標の達成を目指している。今年度は、その中の小目標1と2に関する研究を実施し、上記の研究実績を得ることができた。また、現在まで、本科研費研究に関して査読付き論文1件と査読付き国際会議2件が採択されている。このペースで研究を推進することで、最終年度までに本研究の目的を達成することができると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、開発途中の超スマートマーケティングモデルを用いた実証分析を行う予定である。そこでは、予測指標や誤差指標を用いた効果測定を行うことで、開発したモデルは従来の個別化マーケティングモデルと比べて予測や誤差などの観点から有効に作用することを明らかにすることを予定している。また、そのモデルを用いて、大量の消費者と多種多少な商品群に対して消費者異質性と消費者状態の時間変化を考慮した個別化マーケティングのための高度な知見の抽出を行うことも予定している。
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Causes of Carryover |
次年度に大量のデータ分析を高速に実現できるワークステーション(約130万円の見込み)を購入する予定である。そのため、次年度の予算と合わせて購入するため次年度使用額が生じた。
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Research Products
(2 results)