2021 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Research on Internet Based Marketing Communication of SMEs and Consumers
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20K01990
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
王 怡人 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (20290538)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中小製造企業に対する消費者のネット口コミ / 中小製造企業の情報発信 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度では「中小製造企業の情報発信情況」および「中小製造企業に対する消費者のネット口コミ情況」について質問票調査を行った。それぞれに2031票と2058票のデータが集まった。初歩的な分析では次の4点が明らかになった。 1.デジタル化が進んでいる中でも563社(27.7%)が既存の広告メディアを利用している。とりわけテレビ,地方新聞,フリーペーパー,チラシの利用が目立った。発信したメッセージ(複数回答)として自社の商品名や企業名(443社,78.6%),製品特長(210社,37.3%)の告知が中心である。 2.SNSなどに公式アカウントを登録しているのは988社(48.6%)である。988社のうち最も多いのは公式Webサイトの立ち上げ(686社,69.4%)である。発信したメッセージ(複数回答)として,自社の商品名や企業名(786社,79.5%),製品特長(507社,51.3%)となっている。発信したメッセージの中,商品名・企業名について新旧メディアの間に大差がないのは最初の印象である。 3.一方,中小製造企業に対する消費者のネット口コミについて,ネット口コミを行った回答者がクチコミしたと思われた中小製造企業は大手企業であったり,製造企業ではない回答が多かった。この調査結果からは,消費者が口コミをする際,対象となる企業や利用した商品の知名度に大きく影響されるということが予想される。 4.これらの初歩的な分析結果から本研究で研究課題として提起したBAR(Brand Advocacy Ratio)モデルの中小製造企業への適用に反証する結果に繋がる予想される。 これらの初歩的な分析結果を更に精査し,統計検証を通じて論点の論理性と信憑性を高めていくことが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度ではコロナの影響で多くの中小企業が打撃を受けているため調査の実施を控えたが2021年度では2つの調査を同時に実施したことで遅れた部分を取り戻せたと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度では調査で集めたデータを精査し,研究課題であるBARモデルの中小製造企業への適用可能性を検証する。そして分析結果から既存研究でカバーできなかった日本の実態とのギャップを明らかにし,新たな調査課題と仮説を開発する。さらにもともと想定していなかったコロナの影響による研究課題を整理する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,コロナの影響で海外学会の出張が実施できなかったためと質問票調査費用で実際に使用した額が予定より安くなったためである。 前年度で調査した結果を精査し,必要に応じて追加調査を行う予定である。そしてコロナの情況が落ち着けば,海外の学会での報告や研究成果を英文ジャーナルへの投稿に使用する。
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Research Products
(1 results)