2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K01999
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
朴 宰佑 中央大学, 商学部, 教授 (50401675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 裕明 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (50548716)
外川 拓 上智大学, 経済学部, 准教授 (10636848)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ジェンダー差 / 購買意思決定 / 消費者行動 / 昆虫食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はジェンダー差が消費者の購買意思決定とマーケティング刺激に対する消費 者反応に与える影響について体系的かつ包括的な研究知見を導出することである。 2年目の2021年度には購買意思決定における男女差に焦点を当てて、オンラインによる消費者実験を実施した。より具体的には将来の食糧問題を解決する有効な手段として注目されている昆虫食に焦点を当て、それを普及する上でのセレブリティ・エンドースメント効果とそこにおける消費者の反応の男女差を検証した。 具体的にはアメリカ人を対象に、セレブリティ・エンドースメントが消費者の昆虫食の喫食意向に与える影響を検証した。その結果、消費者が知覚するセレブリティの信頼性、昆虫食知識、昆虫食の推奨人としての適合性は消費者の昆虫食に対する喫食意向を高める要因である一方、セレブリティの外見的魅力は昆虫食の喫食意向に有意な影響を与えないことが確認された。また、3つのセレブリティ・タイプ(俳優、ミュージシャン、アスリート)のうち、男性に対しては俳優とスポーツ選手が、女性に対しては俳優が昆虫食に対する喫食意向を高めることに有効である反面、ミュージシャンは男女いずれの喫食意向に対しても有効でないことが明らかにした。 こうした研究成果は食心理学、食品科学のトップジャーナルのひとつである国際ジャーナルFood Quality and Preferenceに論文として掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体的にはおおむね順調に進展している。2021年度に予定した消費者実験を実行することができた上、その研究成果を日本消費者行動研究学会で報告した。またこれらの研究成果については海外研究協力者であるオックスフォード大学のCharles Spence教授とともに共著の論文を執筆し、国際ジャーナルFood Quality & Preferenceに論文を掲載することもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については、実証研究を継続的に進めることで、ジェンダー差が消費者行動に与える影響について、研究の精緻化をさらに推し進める予定である。 実証研究では、購買意思決定における消費者反応の男女差についての検証を継続すると同時に、ジェンダー役割とステレオタイプに対する消費者の認識がいかにして製品やブランドに対する評価に影響するかを検証する予定である。また、引き続き、海外研究協力者との緊密な連携のもと、研究成果を国内外の学会や国際ジャーナルへの投稿によって積極的に発信していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ過であるため対面での実験ができなかったことや研究成果報告のための国際学会出張ができなかったことにより次年度使用額が生じた。この使用額を利用して、来年度、より充実した対面実験と国際研究報告を行う予定である。
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Research Products
(18 results)