2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K01999
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
朴 宰佑 中央大学, 商学部, 教授 (50401675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 裕明 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (50548716)
外川 拓 上智大学, 経済学部, 准教授 (10636848)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ジェンダー差 / 広告 / 消費者評価 / ジェンダー平等 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はジェンダー差が消費者の購買意思決定とマーケティング刺激に対する消費者反応に与える影響について体系的かつ包括的な研究知見を導出することである。3年目となる2022年度にはジェンダー役割とジェンダーステレオタイプに焦点を当て、社会的に共有されるジェンダー関連の知識や知覚がどのように消費者の意思決定や判断に影響を与えるかを検討、考察した。具体的にはSpacial Agency Bias仮説に依拠し、広告における男女カップルの水平的配置位置がジェンダー平等の知覚に与える影響を3つの消費者実験によって検証した。その結果、観察者から見た場合、男性左ー女性右配置よりも女性左ー男性右配置のほうが広告におけるジェンダー平等の知覚を高めることを一般の消費者を対象とする強制選択課題実験によって確認した。これは社会において活動性がより高いと知覚される男性は左空間、より低いと知覚される女性は右空間にそれぞれ対応づけられることによって起因する結果であると考えらえる。また、男女の身長を揃えて統制した場合でも、同様の結果がみられることから、ジェンダー知覚と水平的空間には一定の関連性が認められることが示唆された。こうした研究成果はproceeding原稿にまとめEACR (European Association for Consumer Research)2023に提出しており、審査の結果採択されたため2023年の7月の当該国際学会で研究成果を発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ過であるため消費者実験が計画通りには実施できなかった。そのため1年間延長申請を行っており、この延長によって研究は計画通りに進めることが見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については、消費者実験を継続的に進めることで、ジェンダー差が消費者行動に与える影響について、研究の精緻化をさらに推し進める予定である。また、引き続き、海外研究協力者との緊密な連携のもと、研究成果を国内外の学会や国際ジャーナルへの投稿によって積極的に発信していく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは新型コロナウィルスの蔓延のため、消費者実験や学会出張などにおいて研究計画に一部変更が生じ、1年の延長申請を行っているためである。次年度使用額は消費者実験の実施、英文校正等国際ジャーナルへの投稿にかかわる費用、国際学会での研究成果の発表などに使用する予定である。
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Research Products
(21 results)