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2020 Fiscal Year Research-status Report

包括利益の制度開示に関する経済的帰結

Research Project

Project/Area Number 20K02016
Research InstitutionAsia University

Principal Investigator

鈴木 智大  亜細亜大学, 経営学部, 准教授 (50609021)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 積 惟美  亜細亜大学, 経営学部, 講師 (50824223)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords包括利益 / 純利益 / リサイクリング / 未実現損益
Outline of Annual Research Achievements

本年度の研究成果は以下のとおりである。
第1に、先行研究を整理した。本研究では、①株式投資家にとっての情報有用性、②債権者にとっての情報有用性、③経営者の意思決定に与える影響の3点から、包括利益の経済的帰結を分析する計画となっているが、各視点においてどのようなモデルで実証研究が実施されているのかを整理し、モデルおよびそれに使用されている変数を抽出した。
第2に、上記先行研究の整理を踏まえて、多角的な視点から包括利益情報の制度開示の影響を分析するために必要となる一連のデータの収集・整理に着手した。包括利益は景気循環などのマクロ経済環境の影響を受けやすいため、分析期間の違いが結果の違いを生む可能性がある。そこで、本研究ではデータ期間を揃えたデータベースの構築が必要となる。
第3に、先行して着手している包括利益情報の債権者にとっての有用性について、学会発表で指摘された点の修正に取り掛かった。オンラインでのやり取りが多く、共同研究者との間で十分な議論はできていないものの、おおよその修正の方向性が見えてきた。上述のデータベースが完成次第、再検証を実施する予定である。
第4に、その他の包括利益のリサイクリング処理に関して会計手続きとその背景となる理論について考察を行った。企業会計基準委員会(ASBJ)は一貫してリサイクリング処理の維持を主張しているが、国際会計基準ではノンリサイクリングとなっている会計手続きも存在している。異なる会計手続きが定められた理論的な背景を整理し、検証モデルに落とし込むことが狙いである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

初年度に当初計画していたデータベースの構築および各視点のパイロット分析がまだ実施できていない。主な要因は、新型コロナの影響で予定外の学務が発生したり、講義の方法が学期中に変更されたりすることで、研究に十分な時間を取れていないことにある。また共同研究者ともオンラインでのやり取りが中心となっており、双方のライフ・ワーク・バランスの関係で十分に議論する時間を取ることができなかったことも一因である。
なお学生アルバイトによる手入力を想定していたリサイクリングに関するデータの収集は状況上、実施することができなった。

Strategy for Future Research Activity

計画からやや遅れているものの、引き続きデータベースの構築を急ぎ、分析に取り組んでいく。今年度も新型コロナの影響で、予定外の学務が生じることが想定されるが、ある程度昨年度で読むことができているので、より多くの時間を研究に割くことができると考えている。なおリサイクリングに関する分析は、学生アルバイトによるデータ入力を当てにすることができない場合は研究計画自体を見直すことも考えている。

Causes of Carryover

手入力が必要となるデータについて学生アルバイトを予定していたが、新型コロナの影響でアルバイトを依頼することができず、謝金が発生しなかった。また学会がオンラインでの開催となり、旅費が不要となった。
新型コロナの状況が改善次第、学生アルバイトへのデータ入力依頼を行う予定である。旅費については学会の開催方法がまだわからないが、状況次第ではデータベースや統計ソフトの購入に振り替えることも視野に入れている。

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Published: 2021-12-27  

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