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2021 Fiscal Year Research-status Report

包括利益の制度開示に関する経済的帰結

Research Project

Project/Area Number 20K02016
Research InstitutionAsia University

Principal Investigator

鈴木 智大  亜細亜大学, 経営学部, 准教授 (50609021)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 積 惟美  亜細亜大学, 経営学部, 講師 (50824223)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords包括利益 / 当期純利益 / その他の包括利益 / 借入金利子率 / 価値関連性 / 利益属性
Outline of Annual Research Achievements

本年度は主に前年度の情報整理を受けて、実証分析を実施した。主な研究成果は以下のとおりである。
第1に、その他包括利益が借入金利子率に与える影響について、学会発表等のコメントを踏まえたうえで修正を実施し、論文を査読付き学術誌に投稿した。査読者からのコメントを受けて、共著者と修正方向について議論を行った。コメントに対応するためには、新たに購入が必要なデータがあることから、予算を組みなおして来年度に修正分析を実施することとなった。
第2に、包括利益およびその他包括利益の価値関連性について、データを整理し、実証研究を実施した。分析結果を要約すると、年産業ダミーを入れなければ、包括利益の方が価値関連性が高いといえる。しかし、ダミーを入れると、当期利益の方が価値関連性が高くなる。年度ごとに推定した場合、12年のうち、7年が当期利益(うち6年が統計的に有意)、5年が包括利益(うち3年が統計的に有意)となり、当期利益の方が優勢であるが、包括利益が高い年もある。特定の状況において包括利益のほうが有用な情報である可能性もある。一方で包括利益を当期純利益とその他包括利益に分解すると、その他包括利益は全サンプルで正で有意となるが、年産業ダミーを考慮すると、有意ではなくなる。年度別では、その他包括利益は有意となることがほとんどなく、追加的な情報内容がないと言える。これらの結果を整理しながら、現在論文にまとめている。
第3に、包括利益およびその他包括利益の利益属性について、データを整理し、実証研究を開始した。
なお、学術誌に投稿した「その他包括利益が借入金利子率に与える影響」に対する査読者のコメントを受け、他の分析についても仮説構築やモデルに修正を加えながら、分析を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は、前年度に収集したデータを整理し、3本の実証分析に着手することができたが、債権者にとっての有用性(その他包括利益と借入金利子率の関係)は査読者のコメントに対応するために、新たなデータベースの購入が必要となり、来年度に実施することになったことと、他の分析はまだ論文にまとめることができていない状況にあることから、「やや遅れている」と評価した。

Strategy for Future Research Activity

計画からやや遅れているものの、夏季休暇までには現在行っている3本の実証分析を論文にまとめて、学術誌に投稿を進める予定である。秋以降は査読者からのコメントに真摯に対応し、成果として結実させたい。上記3本の進捗状況を見ながら、手入力が必要なためデータベース化が遅れているリサイクリングの研究にも着手をする予定である。ただし、リサイクリングに関する分析は、日本企業を用いて分析している研究者がいることがわかり、当該研究の内容次第では分析自体を見送ることも視野に入れている。

Causes of Carryover

手入力が必要となるデータについて学生アルバイトを予定していたが、新型コロナの影響でアルバイトを依頼することができず、謝金が発生しなかった。また学会がオンラインでの開催となり、旅費が不要となった。
残額の一部は研究を進めるうえで新たに必要となったデータベースの購入に充てる予定である。残りの金額についても、新型コロナの影響で学会の開催方法(旅費)や学生アルバイトの雇用(謝金)が不透明な状況にあるが、状況次第では他のデータベースや統計ソフトの購入に振り替えることも視野に入れている。

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Published: 2022-12-28  

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