2022 Fiscal Year Research-status Report
原価企画のグローバル化に貢献できるインタンジブルズ経営のあり方に関する研究
Project/Area Number |
20K02017
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
小酒井 正和 玉川大学, 工学部, 教授 (50337870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 公 福岡大学, 商学部, 教授 (80435932)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 管理会計 / 経営工学 / 経営学 / 会計学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、管理会計論および経営工学の文理融合的観点から、原価企画のグローバル化・現地化に貢献できるインタンジブルズ(無形の資産)のマネジメントのあり方について探究し、グローバル時代の原価企画活動のリファレンスモデルを提示することにある。本研究における研究課題のうち、令和4年度は、①インタンジブルズ経営の海外展開の研究を進め、②原価企画のグローバル化に貢献できるインタンジブルズ経営のモデル化を目指し、ケース分析や質問紙調査を用いた実証分析を行うことにあった。 令和4年度は、インタンジブルズ(無形の資産)のASEANへの移転状況および現地での構築状況について質問紙調査を実施するにはまだ不安定な経済状況であると考え、質問紙調査は令和5年度まで持ち越さざるを得なかった。そこで、令和4年度は、従前のケース分析および新規に得た研究情報等から、質問紙調査にもとづく実証分析に際しての仮説設定を行った。その研究成果の一つとして、学会報告を行った。それが、「在マレーシア日系メーカーにおけるインタンジブルズマネジメントの現状と課題― 原価企画の海外移転に関する仮説設定 ―」である。また、令和4年度中に1編の論文を執筆し、発表した。それが、「在マレーシア日系メーカーにおけるインタンジブルズのマネジメントに関する諸課題―原価企画の海外移転に関する仮説設定―」である。それにより、原価企画のグローバル化に貢献できるインタンジブルズ経営のモデル化を試みるための実証分析の基礎が整ったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、令和4年度の計画として当初は、実証研究の成果をまとめたうえで、成果の報告を行う計画であった。コロナ禍による経済環境の停滞のせいで、ASEANの現地企業への訪問調査が滞ってしまっていたので、令和4年度は、ASEAN諸国の組立メーカーと部品メーカーにおける生産機能・開発機能・原価企画活動の実態について、帰国しているASEAN諸国の現地子会社の経営者等と対面で聞き取り調査を進め、ネットワークを途切れないように対応した。それにより、追加情報を得ることもでき、コロナ禍での変化についても調査できた。それらの調査結果にもとづき、原価企画の現地化における人的資本、情報資本、組織資本との間の関係性などについての質問紙調査の準備を進めることができた。しかしながら、令和4年度に予定していた質問紙調査の実施はできなかったため、補助事業期間を申請し、承認を得た。 このように、学会報告と論文発表はできたものの、質問紙調査はできなかったため、研究の進捗はやや遅れていると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、本来であれば、質問紙調査を実施し、その結果にもとづき分析を行い、原価企画のグローバル化に貢献できるインタンジブルズ経営の実践的指針について検討を行い、研究論文の発表や研究報告を行う予定であった。現状において、グローバル経営に関わる経営環境ならびに国際間取引などが落ち着きを取り戻せてきたと考え、日本メーカーの在外子会社等に対して、企業価値を創造する無形の資産(インタンジブルズ)をどのように構築しているかを明らかにするための質問紙調査を実施する予定である。その質問紙調査の結果にもとづき、研究成果の報告を行う計画である。
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Causes of Carryover |
当初の予定では、令和4年は経済情勢がある程度安定すると見込み、質問紙調査を実施する予定だったが、ASEAN諸国における日系メーカーの経営に関して調査するにはまだ適当ではないと考え、令和5年度に持ち越すこととした。そのため、質問紙調査のために確保しておいた研究資金を使用する機会が大幅に減少した。令和5年度において質問紙調査を実施する計画であるので、令和5年度において調査コストとして使用する予定である。
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Research Products
(8 results)