2023 Fiscal Year Annual Research Report
アメーバ経営システムの効果を促進する組織要因に関する実証的研究
Project/Area Number |
20K02050
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
渡辺 岳夫 中央大学, 商学部, 教授 (00294398)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アメーバ経営システム / プレゼンティズム / 自己効力感 / インタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,アメーバ経営システム(以下,AMS)の特性や効果に影響を及ぼす組織要因を特定するとともに,その要因がいかなるメカニズムを経てAMSの特性に対するポジティブな認知や効果を抑止(促進)しているのかを,AMSの導入経験のある企業の組織成員を対象として,実証的に明らかにすることである。 昨年度は,プレゼンティズムがAMSの特性に影響を及ぼし,それが組織成員の行動に対してマイナスに作用し,最終的にアメーバ単位のパフォーマンスを抑制しているというモデルを,Web調査によって収集したデータに基づき検証した。 具体的には,プレゼンティズムを慢性的なプレゼンティズムと短期的なそれとに分類して検証したが,プレゼンティズムそれ自体がAMSの特性の認知にネガティブな影響を及ぼしているのではなく,プレゼンティズムの促進・抑制要因(例えば,個人要因,支援的リーダーシップ,あるいは雇用の不安定性等)が直接的にAMSの特性の認知に影響を及ぼし,AMSの効果を抑制しているとの可能性が示唆された。本年度は,その検証結果の解釈について実務家へのヒアリングを行い,統計解析の結果を理論的に解釈し,その解釈を実務家にフィードバックするとともに,仮説が支持あるいは棄却された背景理由ならびにインプリケーションについて意見を聴取した。その結果,AMSの効果をより深刻に抑制する可能性が高いのは,慢性的なプレゼンティズムであり,短期的なプレゼンティズムについてはその影響を調整する要因の存在があるかもしれないことが示唆された。
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