2023 Fiscal Year Annual Research Report
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20K02056
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
木村 麻子 関西大学, 商学部, 教授 (30389233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北田 皓嗣 法政大学, 経営学部, 准教授 (90633595)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CSR / 戦略的意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、日本企業のCSR戦略において、企業がどのように戦略課題を選択しているのかを明らかにすることを主たる目的としている。この目的を達成するために、本研究は、日本企業を定量的及び定性的に考察した。 第一に、本研究では日本企業の開示情報をもとに定量的にCSR戦略を時系列的に考察することで戦略的意思決定の変遷を明らかにした。日本企業の開示情報として公表されるトピックを、サステナビリティ、統合、ビジネスの3つの区分に分け、それらの区分において時系列的にどのような変化が見られるかを考察した。結果として、日本企業は10年(2008年-2018年)の間に、ビジネストピックが増加する一方で、統合トピックが減少する傾向にあることが明らかとなった。また、サステナビリティトピックには一貫した傾向は見られなかった。 第二に、日本企業の事例をもとに企業がCSRの中でも環境というトピックに対してどのような戦略的意思決定を行い、実行するかまでの過程を定性的に考察した。本研究では、環境課題に敏感である産業に属する企業の環境戦略に着目し、それらが社内でどのように意思決定がなされ、どのような戦略的目標を設定するかについて考察している。本研究では、その環境戦略の中でも同社の環境配慮型製品の開発プロセスに着目し、企業が環境戦略を立案し、温室効果ガスと言った環境負荷低減のための長期的な目標値を具体的に定め、またその測定方法を社内で周知することの重要性について論じた。
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