競争的市場環境における投資情報開示の影響分析

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K02057
• Research Institution: Setsunan University
• Principal Investigator: 呉 重和 摂南大学, 経営学部, 准教授 (10705891)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 石椛 義和 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20553142)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: Disclosure / R&D investment / market competition / vertical industry / compensation contracts / multiple markets

Outline of Annual Research Achievements

2020年度は、4つの研究テーマについて分析し、3本の研究成果を海外学術誌(Journal of Accounting and Public Policy, European Accounting Review, Contemporary Accounting Research)に投稿したが、掲載が却下された。現在修正加筆しており、2021年度にすべての研究成果を再投稿する予定である。
①「複数の製品市場」における異なる情報開示環境が企業の投資意思決定に及ぼす影響を分析し、開示市場に比べて非開示市場においてより攻撃的な投資が行われることを明らかにした。マルチセグメント企業の投資行動を解明するものである。2021年度にJournal of Ecomomicsに投稿する予定である。
②競争的製品市場における「経営者報酬契約開示」の影響について分析し、経営者報酬契約の開示は経営者の報酬額を上昇させ、企業利得にネガティブに働くことを示した。契約情報開示のコストの存在を明らかにするものである。2021年度に海外学術誌（投稿先未定）に投稿する予定である。
③川下企業のコスト削減投資の開示戦略について分析し、最終製品の差別化の度合に依存し、川下企業の開示戦略が変化することを示した。投資情報の開示に対する企業のインセンティブを解明するものである。2021年度にManagerial and decision economicsに投稿する予定である。
④川下企業の生産能力情報の開示の影響について分析し、川上企業を意識した川下企業の開示行動を明らかにした。2021年度に日本管理会計学会で報告し、同学会に投稿する予定である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年度で遂行した4つの研究テーマの中、3つが共同研究である。コロナの影響により、共同研究者との会合がインターネットに限定され、効率よく研究を遂行することができなかった。また、海外学術誌の査読期間が例年に比べて長くなったことも進捗状況がやや遅れた理由の1つである。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究成果については、海外学術誌へ投稿掲載を目指した。既に作成した原稿については今後においても海外学術誌への投稿掲載を目指すが、しばらく、コロナの影響が解消できないことを考慮し、今後、一部の研究報告について、国内学会での報告・投稿を予定している。

Causes of Carryover

コロナの影響により、海外関連の研究活動ができなかったことに起因する。しばらく、コロナの影響が解消されない可能性があるため、今後、海外での研究報告の配分を減らし、一部の研究活動を国内の研究活動に配分する予定である。