2022 Fiscal Year Research-status Report
Occupational Disease Issues and Labor Movements in Japan and the United States: A Comparative Study
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20K02074
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
鈴木 玲 法政大学, 大原社会問題研究所, 教授 (20318611)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 労働運動 / 労災職業病 / 公害問題 / 環境問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、全日本金属鉱山労働組合(全鉱)の機関紙『ぜんこう』の1946年~1961年までの珪肺、じん肺関連の記事を調べリスト化した。調査した記事は、全鉱や炭労が主導した珪肺法、じん肺法に向けた社会運動および政府に対する要請、鉱山や炭鉱で働いたことで珪肺・じん肺に罹患した患者の状況および珪肺・じん肺の医学的知見などである。主要な記事については、要点を記録した。 アメリカの職業病や環境問題については、デトロイトの自動車工場での職業病問題(とくに、アフリカ系アメリカ人が多く働く職場の労働環境)、アフリカ系アメリカ人労働者の運動が労働安全衛生の改善や全米自動車労組内部での発言権拡大を求めた運動、アフリカ系アメリカ人の集住地区の環境の劣悪化と住民の健康被害など(それについての全米自動車労組の対応)など、デトロイトを舞台にした環境(職場環境を含む)、工場労働、人種の交叉に関する相当数ある先行研究を調べ、今後予定しているアメリカでの労働アーカイブズ調査の準備をした。 その他、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどの労働組合による職業病や公害への取り組み、環境正義論、労働衛生(Industrial hygiene)の歴史など、これまでの研究で十分カバーしていなかった環境・労働問題の先行研究を読んだ。上記のデトロイトの研究と合わせて、これらの文献をもとに「職場がどのように環境の一部となりうるのか」という問題意識に基づいてレビュー論文の執筆を準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本の石炭じん肺や珪肺などの職業病と労働運動のかかわりについての調査は、鉱山関係の組合新聞をまとめたが、職場レベルの事例についての資料を探している段階である。そのため、論文にまとめることができなかった。 2022年度は、20年度、21年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大、および研究代表者の体調不良のため、国内および海外調査ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
先行研究の読み込みから、アメリカでは、全米自動車労組(UAW)と石油、化学、原子力産業国際労働組合(OCAW)の職業病・公害、および広義の環境問題の資料を現地のアーカイブズ(デトロイトのウェイン州立大学とボルダーのコロラド州立大学の図書館所蔵資料)で調査することを計画している。また、日本のじん肺・珪肺問題については、法政大学大原社会問題研究所所蔵の鉱山や炭鉱の企業組合の資料を調査する予定である。
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Causes of Carryover |
22年度は新型コロナウイルス感染拡大や研究代表者の体調不良のため、国内および海外調査ができなかった。23年度には体調の様子をみながら、国内および海外調査を進める。
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