2022 Fiscal Year Research-status Report
多元的アプローチに基づく都市の公共空間における自由の規定要因
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20K02083
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
堂免 隆浩 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (80397059)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多元的アプローチ / 都市 / 公共空間 / 自由 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学術的問いとして「なぜ本来自由であるべき都市の公共空間において地方自治体が自由を制限するのか?」を解明することを目的とする。そして、都市の公共空間の典型として公園に着目する。 令和4年度は、令和3年度に実施した東京都内の全62市区町村を対象とし各自治体のHPを調査しルールの策定状況の確認を踏まえ、作業c)仮説検討、および、作業d)全国自治体への質問紙調査を実施することであった。 作業c)仮説検討では、研究計画調書作成時に想定していた、仮説1として「利用者のマナー遵守に対する行政担当者の期待の低さ」、仮説2として「行政自らの管理能力に対する行政担当者の評価の低さ」、そして、仮説3として「アソシエーションに対する行政担当者の評価の低さ」について再検討を行った。その上で、仮説1においては評価の対象として利用者の「能力に対する評価」と「意図に対する評価」で区別すること重要であることを確認した。仮説2においては、行政による管理を「公園の維持(管理)」と「公園の運営(管理)」で区別することが必要であることを確認した。さらに。仮説3において「アソシエーション」を自治会町内会などの「地縁組織」とNPO等の「非営利組織」で区別することが重要であることを確認した。 作業d)全国自治体への質問紙調査の実施では、仮説の検討に時間を予想以上に要したため、実施にまでは至らなかった。そこで、令和5年度に調査を実施することとした。 なお、令和4年度は、調査票を設計する上で活用することを目的とした令和3年度の作業の継続として、東京都内の62市区町村において策定されている公園に関連する条例に対象を絞り、禁止される行為および許可が必要な行為について東京都内の区市町村における傾向を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は、作業c)仮説検討、および、作業d)全国自治体への質問紙調査を実施することであった。 当初の計画通り、作業c)仮説検討に着手しおおむね達成した。しかし、仮説の検討に時間を予想以上に要したため、作業d)全国自治体への質問紙調査の実施にまでは至らなかった。 アンケート調査では、仮説検討および調査票の設計に時間を要する。アンケート調査は、インタビュー調査と比較し、改めて調査を行うことが相対的に難しく、1回の調査で適切な回答を得られるよう調査票を作成できることが重要となる。そのため、可能な限り時間をかけて調査票を慎重に作成できることが望ましい。もちろん、当初の計画通りに作業を進められることは大切である。それでも今回、仮説検討に時間を要したたため当初の計画から作業がやや遅れていることは、調査の質を高めるために不可欠であったと前向きにとらえたい。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、令和4年度に実施できなかった作業d)全国自治体への質問紙調査を実施するとともに、当初計画における作業e)分析・仮説検証、および、作業f)分析結果確認のための面接調査、を行う予定である。 作業d)は、夏休み中に実施し、年内に作業e)を行う。その後、作業f)を終えることとする。
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