2021 Fiscal Year Research-status Report
朝鮮学校卒業生の生活世界ー<民族><祖国>との関連を中心に
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20K02088
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
山本 かほり 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (30295571)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 朝鮮学校 / ナショナリズム / 民族 / 在日朝鮮人 |
Outline of Annual Research Achievements |
(具体的内容)調査の実施はコロナ感染拡大で困難を極めたが,それでも朝鮮学校の卒業生たちに連絡をとって、可能な限り、調査を行った。しかしながら,実質的な調査にはいたらず,2021年度はこれまでの業績をまとめることに多くの時間を費やし、そのための専門的知識の提供をうけたり、出版社との打ち合わせに時間を費やした。結果として,西日本社会学会,東海社会学会でのシンポジウムでの報告,学会誌(西日本社会学会)への寄稿,さらには,これまでの研究をまとめて,単著(『在日朝鮮人を生きるー<祖国><民族。そして日本社会の眼差しの中で』(三一書房)を出版することができた。 (意義)在日朝鮮人研究、朝鮮学校の社会学的研究に関する新しい視点を提供できたと思う。とくに,朝鮮学校に関する研究としては,当事者との至近距離での調査を行い,その中で朝鮮学校の生活世界,そして,当事者たちにとって,学校がもつ意義,コミュニティの意味などを厚く,深く記述した本ができたと思う。そこから,さらにふみこんで,在日朝鮮人たちの苦悩の根源にある日本社会の眼差しがもつ意味についても考察を行った。 (重要性)北朝鮮嫌悪と朝鮮学校の関係性、かれらにとっての朝鮮学校の意義、そのネットワークの厚さなどを描く上での 一歩をすすめることができたと考えている。さらには,単なるナショナリズム,本質主義批判をこえて,在日朝鮮人たちにとっての祖国や民族の意味を考察できたことが重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染拡大のために、朝鮮学校の卒業生たちへの調査が困難である。可能な限り、続けたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は実査をすすめていきたい。愛知朝鮮高校の卒業生たちのネットワークを使い、かれらのライフコースを把握することを心がけたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大により、調査が予定通り実施できなかったことが大きな理由。2022年度に調査出張費として使用する予定。
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Research Products
(4 results)