2022 Fiscal Year Research-status Report
Environmental sociological verification of the area after compliance with the Industrial Waste Special Measures Act
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20K02092
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
堀畑 まなみ 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (40348488)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 産業廃棄物不法投棄 / 産廃特措法 / 香川県豊島 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、4つの事例調査・文献調査を実施した。 ①宮城県村田町産廃不法投棄問題について。図書館で資料を収集し、現地を視察した。視察の際に、付近の住民にヒアリングを行うことができた。こちらの調査は、本研究の中心的な課題の1つであり、この問題に取り組んできた方に集中的にヒアリングをする予定であった。取り組まれてきた方が高齢であるため新型コロナ流行で、お会いできないうちに急逝されてしまったことから、現地視察までの調査となった。 ②滋賀県栗東産廃不法投棄問題について。現地視察を考えたが、交通が不便であり、現場までは徒歩で2時間くらいかかってしまうことから、時間の都合で文献調査を実施することにした。行政が出した資料は多くないが、滋賀県は環境問題に対する住民運動が盛んな場所であるため、住民が出した図書があることがわかった。 ③香川県豊島産廃不法投棄問題について。1996年からフィールド調査を実施しているが、こちらも新型コロナ流行で2020年3月を最後に行けなくなっていた。3年ぶりに現場の視察と豊島住民会議へのヒアリングができた。また、大阪にて関係者にヒアリングを行うことができた。 ④青森・岩手県境産廃不法投棄問題について。以前に現地視察と岩手県庁、青森県庁へヒアリングをしたことがあり、豊島でこの問題に取り組んできた岩手日報の記者と知り合いになっていることから、昨年まで張り付いていた記者の方を紹介してもらい、ヒアリングにて解決過程について伺った。また、この問題に当初からかかわっている住民代表の方と研究者の方を紹介して頂いた。次年度の集中的な調査実施の下地を整えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地でヒアリングを行う予定の方が高齢であり、新型コロナ流行のため、調査を実施することができなかった。地方で流行が収まっている時でも、東京で流行をしていれば、まず調査は実施できない。閉鎖的な環境では、誰の家にどのような人が訪ねてきたのかが周囲にわかるため、東京から人が訪ねてきて万が一にでもコロナにり患してしまったら、大変なことになるという地域住民への配慮から、ヒアリングを依頼することさえできなかった。 また、宮城県村田産廃不法投棄の事例調査では、お話を伺うことを想定していた方が亡くなられてしまったため、住民との接点を失ってしまった。調査のデザインの変更が余儀なくされたため、予定していた進捗状況まで達成していない。
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Strategy for Future Research Activity |
当研究の中心的課題の1つであった宮城県村田産廃不法投棄事件について、関係者の急逝にて、住民のヒアリングができない可能性が出てきた。そのため、特措法で豊島と同様に基金の多くを使用した青森・岩手県境不法投棄事件の解決過程を深堀りするデザインに変更し、香川県豊島不法投棄事件と比較研究をする。 遅れを取り戻すため、青森県にて社会問題化した環境問題について知見を持つ研究分担者を招聘し、文献調査・ヒアリング調査、現地視察を実施し、得られた知見から、特措法で対応した産業廃棄物問題の事例について、分析をしていく予定である。 また、秋田県能代産廃不法投棄事件について、今年度は調査を実施し、揮発性の有害物質への対応などについても研究していく予定である。
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Causes of Carryover |
当研究のヒアリング対象者の多くが、高齢者であることから、新型コロナ流行が収まらず、現地でのヒアリング調査が実施できなかった。新型コロナの分類が5類に移行したこと、ワクチン接種が行き届いたことから2023年度は、現地調査やヒアリング調査を進めていく。青森岩手県境不法投棄事件の調査は4~5回程度予定しており、香川県豊島産廃不法投棄事件の調査は2~3回、秋田県能代産廃不法投棄事件の調査は2回を予定している。
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Research Products
(1 results)