2021 Fiscal Year Research-status Report
戦前期における高学歴ホワイトカラーの職業経歴に関する計量歴史社会学的研究
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20K02104
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
渡邊 勉 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30261564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 聡 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (00346248)
山藤 竜太郎 横浜市立大学, 国際商学部, 准教授 (00432055)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高学歴ホワイトカラー / 職業経歴 / 高等商業学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も、主にデータ収集、データ加工、試行的分析をおこなった。データ収集については、神戸高等商業学校および東京高等商業学校の卒業生のデータをさらに整備した。神戸高等商業学校については昨年度おこなってきたデータ化をさらにすすめてきた。特に企業規模などの企業情報について、既存資料を参照しながら、一つ一つ特定していく作業をおこなった。さらに、昨年度は3つのコーホートに焦点を当ててデータ化をしていったが、さらにその間を埋める世代についてのデータ化もはじめた。ただこうしたデータ化の作業は完了するまでは至っておらず、さらに精緻にデータを整備していく必要がある。 東京高等商業学校についても、職業経歴の分析を進め、国内学会、国際学会にて研究報告をおこなっている。 また戦前の高学歴ホワイトカラーをめぐる既存研究について、国内外の研究をレビューした。既存研究の中では、戦前の高学歴ホワイトカラーの職業を分析した研究は散見されるが、職業経歴全体を扱う研究が見当たらない。また1500人近くのデータの分析という点でも従来の研究からは見られず、本研究の意義を確認してきた。 分析については、昨年度同様長期雇用の傾向を多変量解析により検討してきたが、それと同時に、職歴のパターンを分析する方向性についても検討した。後者についてはクラスター分析、潜在クラス分析、さらにシークエンス分析などを用いた分析の可能性を探っているが、まだ十分な結果は出ていない。戦前高学歴ホワイトカラーの職業経歴の共通性と多様性を明らかにすることを目指し、その職業経歴の全体像を描き出す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度と同様、コロナ禍により、2点において研究が遅れている。第一にデータ収集が進んでいない。『学校一覧』を所蔵する各大学の図書館での閲覧を計画しているが、現状ではまったくおこえなていない。そのため神戸高等商業学校を除くとほとんどデータ収集ができていない。第二に、研究会の開催が難しかった。本科研費のプロジェクトがはじまってから、まだ一度も対面での研究会ができていない。オンラインでの開催は複数回おこなっているが、詳細な研究の検討ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍が収束し、データ収集が開始できないとデータ収集、資料収集の調査ができない。調査ができないとデータ拡充、データ分析ができず、研究遂行することが難しい。そのためさらにメンバー間で研究の方向性について議論していく。また研究会の開催についてはオンラインを中心におこなっていくが、対面での研究会の可能性も探っていく予定である。
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Causes of Carryover |
本プロジェクトでは、全国の旧高等専門学校が発行していた『学校一覧』を所蔵する各大学図書館へ調査に訪れる予定であったが、コロナ禍の影響により未だまったくできていない状況にある。そのため、調査費を持ち越しており、次年度に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)