2022 Fiscal Year Research-status Report
A study on Joseon-Tongsinsa`s parade supporting the local participation of korean in Jaoan
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20K02106
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
魯 ゼウォン 天理大学, 国際学部, 教授 (30303572)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 朝鮮通信使 / 在日コリアン / 京都民団 / 定住 / 共生関係 / 民団の存続可能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、朝鮮通信使行列再現を実施する民団についてインテンシブな調査研究を行った。事例として、京都民団を取り上げ、民団実施の再現行列に着目し、朝鮮通信使という歴史文化資源が在日コリアンにどういった意味をもつのかを京都民団を事例にして検証した。京都民団による再現行列の始まりは、1990年代にみられる京都市国際交流協会・京都民団・京都総連の3団体の関係形成に遡ってみるべきである。1990年代に京都市国際交流協会が主催した連続フォーラムの「チョゴリときもの」、1993年の「ワン・コリアパレード」での京都民団と京都総連の共同参加、そして、京都市・京都民団・京都総連の協働関係は2003年のコリアンサロン「めあり」事業へと展開していった。 京都民団は、3団体の協働関係の経験をふまえ、2000年代に入って「共生社会実現」を基本理念と設定し、2007年に「朝鮮通信使400周年」を記念する事業として、再現行列を実施した。2007年の再現行列は単発の事業に終わったが、その蓄積は2015年度以降の「京都コリアフェスティバル」での再現行列へ進展していった。2017年に、長崎県対馬市を拠点とする「NPO法人朝鮮通信使縁地連絡協議会」の「朝鮮通信使ゆかりのまち全国交流会」の開催が京都市に決定された。これを受け、京都民団は多様な団体(京都市、京都日韓親善協会、韓国京都青年会議所、京都青年会議所、京都市国際交流協会等)と協働で再現行列を実施した。 以上、京都民団の再現行列は多様な主体との関係形成を生み出す場であることが確かめられた。在日コリアンの民団離れが進む中、民団は再現行列を韓日友好の資源と位置づけ、再現行列を通じて、多様な主体との共生関係を構築し、民団の存続可能性を高めているのである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査研究は、京都民団に情報提供者がおり、調査研究がスムーズに進展している。2022年度は京都民団の調査研究を行い、ほぼ終了した。京都民団の人的ネットワークを活かし、兵庫民団や静岡民団に連絡ができ、次の調査研究に取りかかることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、民団主体の朝鮮通信使再現行列として、静岡民団と兵庫民団の研究を実施する予定である。資料収集ならびに情報提供者が確保できたため、問題なく遂行できると判断する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため調査研究に制限があり、予定したインフォマート全員に面接調査ができなかったためである。
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