2020 Fiscal Year Research-status Report
地域共生社会における「意思」と「主張」をめぐる人びとの「支援実践」の領域横断研究
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20K02109
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井口 高志 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (40432025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 衆 慶應義塾大学, 文学部(三田), 助教 (00805533)
海老田 大五朗 新潟青陵大学, 福祉心理学部, 准教授 (50611604)
前田 拓也 神戸学院大学, 現代社会学部, 准教授 (60552148)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ケアのロジック / 認知症 / 地域共生社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は新型コロナウィルス感染症の流行による各自の大幅なエフォートの変更に伴い、当初予定していた各自の研究のすり合わせや、研究会開催を行うことがほとんどできなかった。実際に研究代表者・分担者が集まって行った会合は、8月に本研究課題の方針の再確認のための会議と、1月に行ったアネマリー・モル『ケアのロジック』の読書会のみであった。後者は、本研究の参加研究者だけでなく、ポスドクや大学院生など若手のケアや医療、地域に関心のある研究者が集まり、本書で提案されている「選択のロジック」に対する「ケアのロジック」の内容の読解と、その意義を確認を行い、地域共生社会における意思・主張をどう捉えていくかということを課題としている本研究課題の理論的基盤を確かめる第一歩となった。具体的には、それぞれの研究でこれまで事例をベースに論じてきたことをつなぐ概念として、本書における議論は用いられるのかどうかを検討し、この検討を含めて次年度以降の実質的な研究を進めていくための第一歩とした。また、副次的な意義として、本研究会を開催することで、本研究課題と関連する若手研究者の関心等を確認することができ、21年度以降に開催していく多研究者を呼んだ研究会開催の準備のための会ともなったと考えられる。 他方で、集まった企画ができなかった今年度は、各自がこれまでの研究を振り返ったり本研究課題のミッションを再確認する時期ともなったと言える。そのため、研究実績として、研究代表者による単著や共著、書評、論文といった、これまでの研究を理論的に展開した業績や、分担者らによる自著の振り返り、他著書の書評等を発表することができた。これらは、本研究課題の基盤部分の検討という意味を持っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症による業務への多大な影響や、参加研究者各自の家庭環境上の変化などにより、本研究課題の中核である研究会開催等のための十分な時間的余裕が確保できず、当初予定していた研究課題のすり合わせや、公開研究会実施等がほとんどできなかった。他方で、各自が自らの研究の振り返りや、読書会や書評等の形で他著書との関連付けの作業ができたことは有益ではあった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究全体の進行を一年程度遅らせた形で実施していくことを予定している。すなわち、2021年度は当初2020年度に行うことを予定していた研究者間の課題のすり合わせと目標設定を中心に行い、21年度後半および次年度における多研究者との交流や、学会発表などにつなげていく。その際も、各研究者の状況変化に伴い柔軟に対応していく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの流行により、当初予定していた研究会開催に伴う旅費や謝金等の支出ができなかったことが最も大きい理由である。また、それに加えて、職務状況の変更によるエフォートの変化によって、研究資料収集・整理等の作業も滞っており、それに伴う支出もできなかった。次年度以降は、研究の進行を後ろ倒しにしつつ、20年度に計画していた研究会開催等を実施していくが、オンライン開催などに伴い、支出項目を変更して使用していくことが予想される。
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Research Products
(11 results)