2020 Fiscal Year Research-status Report
Urban regeneration through culture and its social effect: comparative study of coalfields
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20K02112
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松浦 雄介 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (10363516)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 文化遺産の保存と活用 / 産炭地 / 文化まちづくり / 公共財 / コモンズ / 集合的創造性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本・フランス・イギリスの旧産炭地を対象とし、炭鉱遺構などの文化資源による都市再生の現状と課題について、現地フィールドワーク調査をもとに比較研究することである。2020年度はコロナ渦のために夏季休暇期間中の実施を予定していた海外調査を実施することができなかった。国内の旧産炭地の調査研究もさまざまな制約があったが、コロナ渦が一定程度落ち着いた時期に現地で資料収集と調査を若干行った。当面海外調査は難しい状況が続くことが予想されるため、国内の調査研究を重点的に進めることを新たに計画している。当初、日本の旧産炭地として選んでいたのは、かつて三池炭鉱のあった大牟田市・荒尾市だが、国内の調査研究を重点化するにあたり、両市以外の都市(旧産炭地に限らない)も視野に入れた研究を計画している。その一環として、大分県豊後高田市を事例に論稿を執筆し、商店街の街並みが新たな文化資源として見出され、それをもとにまちづくりが行われる過程を集合的創造性という概念によって分析した。まちづくり論は経験的な事例報告・事例研究が多いが、集合的創造性という概念を導入することにより、本稿はまちづくりを理論的な観点から捉える試みと言える。また、商人層と公的セクターのメンバーを中心に行われた豊後高田の文化まちづくりは、工業都市におけるそれと比較することで、担い手の比較分析にかんする新たな視点をもたらすものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は日本・フランス・イギリスの旧産炭地を対象とし、文化による都市再生の現状について、現地フィールドワーク調査にもとづいて比較研究をするものであるが、夏季休暇期間中の実施を予定していた海外調査を、コロナ渦のために実施することができなかった。国内の旧産炭地の調査研究もコロナ渦に起因するさまざまな制約(主として移動制限)のため、十分に行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は日本・フランス・イギリスの旧産炭地を対象とし、炭鉱遺構などの文化資源による都市再生の現状と課題について、現地フィールドワーク調査をもとに比較研究するものであるが、コロナ渦のために夏季休暇期間中の実施を予定していた海外調査を実施することができなかった。国内の旧産炭地の調査研究もさまざまな制約があったが、コロナ渦が一定程度落ち着いた時期に現地で資料収集と調査を若干行った程度である。当面海外調査は難しい状況が続くことが予想されるため、国内の調査研究を重点的に進めることを新たに計画している。当初、日本の旧産炭地として選んでいたのは、かつて三池炭鉱のあった大牟田市・荒尾市だが、国内の調査研究を重点化するにあたり、両市以外の産炭地として、筑豊炭鉱および空知・夕張両炭鉱の関連都市も新たに対象に入れることも考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ渦のため、海外調査および国内調査ができなかったのが主な理由である。前年度繰越金を含む助成金については、今年度および来年度に調査を行うことで執行する。
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Research Products
(1 results)