2020 Fiscal Year Research-status Report
グローバルケアチェインにおける看取り―イタリアの外国人ケア労働者を事例として
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20K02122
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Research Institution | Matsumoto University |
Principal Investigator |
福島 智子 松本大学, 大学院 健康科学研究科, 教授 (60435287)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看取り / 外国人ケア労働者 / グローバルケアチェイン / 高齢者介護 / 在宅死 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、グローバルケアチェインにおける看取りの詳細を明らかにするものである。令和2年度の計画では、調査対象国であるイタリアでのインタビュー調査を実施する予定であったが、新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大により、現地調査が不可能な状態となった。令和3年度中の渡伊も困難であると予想されることから、令和元年度までの研究調査結果を再度読み直し、新しい分析視覚を入れて再分析を進めた。現地の状況を得るため、主にはインターネットや他研究者による現地リポートから、イタリアにおける感染拡大や医療崩壊の状況を地区別に把握することに努めた。新型コロナウィルス感染症での死者が非常に多かったことから、看取りの様相も激変していることが予想される。たとえば、近親者による看取りができないことについての多くの報告があり、身体的接触ができないことに対する強いフラストレーションが指摘されている。また、高齢者施設での感染拡大が起こり、高齢者とのコンタクトが困難な状況となったことに起因する問題も指摘されている。住込みの外国人ケア労働者においても、パンデミックの影響は大きいと予想される。 次年度からの調査研究においても、パンデミックの影響を視野に入れて、渡航計画や研究内容の再検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画ではイタリアでの現地調査1回があったが、新型コロナウィルス感染症の拡大により、海外渡航自体が不可能であった。国内での研究会についても、計画通りに進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では4年間の最初の3年間で3回の現地調査を予定していたが、ヨーロッパにおける感染拡大を受けて、可能であれば後半の2年間に現地調査を集中させる。それまでは国内での情報収集や他研究者との情報交換、研究会等を通じて、調査内容をより精査し、密度の濃い現地調査となるよう研究を進める。
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Causes of Carryover |
当初予定していたイタリアでの現地調査1回が、新型コロナウィルス感染症の拡大によってできなかったため。現地調査前に予定していたPCなどの物品購入には支出せず、次年度以降に繰り越した。令和3年度中の渡航が難しい場合、研究期間の後半に現地調査を集中して実施する。
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