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2020 Fiscal Year Research-status Report

A Study of Impact of Realistic Turn on Sociological Theory: A Reconsideration from the viewpoint of "Ontology / Epistemology"

Research Project

Project/Area Number 20K02129
Research InstitutionRitsumeikan Asia Pacific University

Principal Investigator

清家 久美  立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (00331108)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords新実在論 / 実在論的展開 / M.ガブリエル / 構築主義 / 存在論/認識論 / 反自然主義
Outline of Annual Research Achievements

本研究は社会学ないし社会学の方法論を〈存在論/認識論〉の視点から整理することにより、新たな思想潮流としての実在論的転回の社会学ないしは社会学の方法論への影響の検討が目的である。
研究計画としては①文献に基づいた理論研究と②調査による方法論の模索を計画的におこなっていく。2020年度はコロナ禍により、調査は難しく、①の理論研究に徹したが、計画にあげていた以下を実施した。
1.社会学一般は一部進めた(1)社会学方法論の概要把握 の一部(2)存在論と認識論をめぐる視点 の一部 2.構築主義関連については概ね把握(1)構築主義の前史の概要把握 の一部①M.ウェーバーの方法論の一部 ②A.シュッツの現象学的社会学は着手できず (2)構築主義の歴史:①バーガー/ルックマンの社会的構成から始まる論の一部 ②スペクターとキツセはマートンの逸脱論やハワード・ベッカーのラベリング論の内容の把握(3)構築主義:政治的構築主義、方法論的構築主義の理論的把握 (4)構築主義の把握:認識論的構築主義、ラディカル構築主義の把握 (5)言語論的転回の整理と構築主義との関係性については一部に着手 3.社会学における実証主義の系譜と実証主義論争の把握と再検討は未着手 4.実在論的転回についての網羅は全体的に進展(1)新実在論の概要把握 (2)思弁的実在論の把握 (3)実在論的転回の網羅と、それぞれの思想的位置づけ 5.新実在論関連については全体的に進展 (1)実在論的転回の整理 (2)新実在論の把握 (3)M.ガブリエルの新実在論 (4)新実在論の視点から構築主義はどのように批判され、更新されるのか 。6.批判的実在論については着手していない (1)ロイ・バーカーを筆頭とする批判的実在論の網羅 (2)新実在論や思弁的実在論の議論との比較検討とそれぞれの位置づけの把握

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画としては①文献に基づいた理論研究と②調査による方法論の模索を計画的におこなっていく。2020年度はコロナ禍により、調査は難しく、①の理論研究に徹したが、計画にあげていた以下を実施した。①に関してはおおむね順調に進展させた。ただ、調査による方法論の検討については、実地調査の困難により進められなかったが、まずは①の進展が不可欠なので研究全体としては概ね順調の進展とすることができる。理論研究の進捗は以下である。
1.社会学一般は一部進めた  2.構築主義関連については概ね把握 3.社会学における実証主義の系譜と実証主義論争の把握と再検討は未着手 4.実在論的転回についての網羅は全体的に進展 5.新実在論関連については全体的に進展 6.批判的実在論については着手していない
また、特に2020年度は、社会学理論学会の研究委員会理事として学会シンポジウムを開催した。シンポジウムのテーマは「〈構築されるもの/構築されざるもの〉の差異を問う」であったが、「差異は構築されたもの」とする認識を問い直すことをひとつのねらいとして開催し、次のような成果を導き出せた。
シンポジウムでは、「実在」をどう考えるかという論点が社会学者にとっていかなるメリットとなるか、という立場からさまざまな議論が交換され、すなわち本研究が理論社会学会に理論的触発を与えたと見てとることができ、それをもって成果としうる。また、この内容を論文化し、公刊にするに至ったことも、今年度の進展の根拠となる。

Strategy for Future Research Activity

2021年度も理論研究に専念する。
1.社会学一般(1)社会学方法論の概要把握(2)存在論と認識論をめぐる視点 2.構築主義関連について(1)構築主義の前史の概要把握①M.ウェーバーの方法論 ②A.シュッツの現象学的社会学 (2)構築主義の歴史:①バーガー/ルックマンの社会的構成から始まる論②スペクターとキツセはマートンの逸脱論やハワード・ベッカーのラベリング論(3)構築主義:政治的構築主義、方法論的構築主義 (4)構築主義の把握:認識論的構築主義、ラディカル構築主義 (5)言語論的転回の整理と構築主義との関係性について 3.社会学における実証主義の系譜と実証主義論争の把握と再検討 4.実在論的転回についての網羅(1)新実在論の概要把握 (2)思弁的実在論 (3)実在論的転回の網羅と、それぞれの思想的位置づけ 5.新実在論関連について (1)実在論的転回の整理 (2)新実在論の把握 (3)M.ガブリエルの新実在論 (4)新実在論の視点から構築主義はどのように批判され、更新されるのか 。6.批判的実在論について (1)ロイ・バーカーを筆頭とする批判的実在論の網羅 (2)新実在論や思弁的実在論の議論との比較検討とそれぞれの位置づけの把握
以上の中のまだ着手できていない点を中心に、進めていくことになる。
また、特に新実在論の把握は、徹底しておこなうつもりである。
日本社会学会、社会学理論学会での発表はおこなう予定。また、いずれかの雑誌に(現在思案中)、M.ガブリエルの実存主義的な視点についての論文、反自然主義についての論文を執筆予定としている。

Causes of Carryover

COVID-19により移動制限され、新潟への調査のための交通費、宿泊費、ならびに学会参加のための交通費、宿泊費を使用することができなかった。
2021年度、その使用を計画している。また、昨年度当該研究領域の新しい文献の出版が多く見られたので、余剰分を文献代に充当することも計画している。

  • Research Products

    (5 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 「実在論的転回の社会学への影響についての研究ーM.ガブリエルの新実在論の援用可能性」2021

    • Author(s)
      清家久美
    • Journal Title

      『現代社会学理論研究』

      Volume: 15号 Pages: pp.3-17.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 「新実在論=M. Gabrielの思想的特徴について ―多元性・科学主義批判・意識の非先行性を中心にー」2021

    • Author(s)
      清家久美
    • Organizer
      日本社会学史学会関西研究例会
  • [Presentation] 「実在論的転回の構築主義への影響について―M. ガブリエルの社会学への援用可能性」2020

    • Author(s)
      清家久美
    • Organizer
      社会学理論学会 第15回大会シンポジウム 「〈構築されるもの〉/〈構築されざるもの〉の差異を問う」
  • [Presentation] 「実在論的転回における自然主義批判の社会学ないしは社会学の方法論への影響についての研究」2020

    • Author(s)
      清家久美
    • Organizer
      日本社会学会 第93回大会
  • [Presentation] 「社会学ないしは社会科学の方法論に対する実在論的転回の影響についてー認識論/存在論の視点からの再考」2020

    • Author(s)
      清家久美
    • Organizer
      APカンファレンス第13回大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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