2022 Fiscal Year Research-status Report
労働システムと地域社会に新しい可能性を開く障害者雇用
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20K02138
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
江本 純子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (10582380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 哲治 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (60346533)
金谷 信子 広島市立大学, 国際学部, 教授 (20509062)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 障害者雇用 / 就労支援 / 就労継続支援A型 / 福祉的就労 / インクルージョン / 社会的包摂 / 障害者政策 / 共生社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、障害者就労継続支援A型(雇用型)事業所の訪問調査及び公表資料を基に分析・考察することで、労働システムと地域社会に新しい可能性を開く障害者雇用のあり方を検討するものである。 当初主軸と考えていた訪問調査は、コロナ感染症関連で、規模縮小せざるを得なかったが、2023年現在、地方・都市部の両調査とも終了、分析中である。訪問調査は、地方と都市部の比較であり、2023年4月時点で地方(広島県分)、都市部(大阪市)とも終了した。地方分は、公表データをもとに地域ごとの大まかな特徴をとらえたうえで、インタビューを行った。インタビューでは、基本事項の確認の上、就労支援状況、事業所の特徴、新型コロナウィルスの影響について分析する。地方分は、現在学会報告準備中である。都市部(大阪市)のデータは、現在データ整理中である。 訪問調査の規模縮小に代わって、公表資料分析の対象範囲および規模を拡大した。 「障害福祉サービス等情報公表検索」websiteに掲載されていた全国の就労継続支援A型事業所(2021年2月時点)の経営データを用いて、事業所の属性、事業所の規模、事業の内容、事業の特徴、サービスの質、労働状況、経営状況、一般就労移行の分野について、地域別、地域規模別、経営主体別、開設年代別、障害の種類別、生産活動の内容別、産業分類別にクロス表を作成してデータベース化した。 またこのデータを用いて、経営法人別の各々の特性を詳細に分析した。その結果、障害者の福祉雇用に関して長い経験を持つ社会福祉法人と、新規参入組である営利法人、一般社団法人、NPO法人の間には、様々な対比が観察された。例えば、社会福祉法人の事業所の方が、利用者数などでみた規模が大きく、また従業員の経験の長さや資格取得率でみたサービスの質も、他の法人より高い傾向が観察された。この結果を再整理して、学術雑誌に投稿する準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れている 理由 本研究は、訪問調査および公表資料の分析の2軸で展開している。 このうち訪問調査については、2020年度は、新型コロナウィルス対策との関連で訪問が一切できず、2021年度後半になって感染症がある程度収まったのを機に、感染症状況を見ながら調査依頼・実施し、現在、分析中である。だが2021年度分訪問調査も、相手先の協力を得る必要があるため、今後も感染状況を見ながら進めたため2022年末に終了したばかりである。 なお公表資料分析については、順調に進行している。「障害福祉サービス等情報公表検索」websiteに掲載されていた全国の就労継続支援A型事業所(2021年2月時点)の経営データを用いて、事業所の属性、事業所の規模、事業の内容、事業の特徴、サービスの質、労働状況、経営状況、一般就労移行の分野について、地域別、地域規模別、経営主体別、開設年代別、障害の種類別、生産活動の内容別、産業分類別にクロス表を作成してデータベース化した。 またこのデータを用いて、経営法人別の各々の特性を詳細に分析した。その結果、障害者の福祉雇用に関して長い経験を持つ社会福祉法人と、新規参入組である営利法人、一般社団法人、NPO法人の間には、様々な対比が観察された。例えば、社会福祉法人の事業所の方が、利用者数などでみた規模が大きく、また従業員の経験の長さや資格取得率でみたサービスの質も、他の法人より高い傾向が観察された。この結果を再整理して、学術雑誌に投稿する準備を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、訪問調査(地方および都市部)および公表資料の分析の2軸で展開している。 このうち 訪問調査については、相手先の協力を得る必要があるため、2022年度末に終了したばかりである。今後は、まず2021年度に終了した地方分について分析後、報告を行い、その後、都市部分、地方と都市部の比較、という順で報告する。 公表資料分析については、順調に進行しており、2023年度で報告予定である。 すべての分析が進んだ段階で、2軸をまとめての報告を行い、労働システムと地域社会に新しい可能性を開く障害者雇用のあり方を提言する。
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Causes of Carryover |
本研究は、訪問調査(地方および都市部)および公表資料の分析の2軸で展開している。 このうち 訪問調査については、相手先の協力を得る必要があるため、2022年度末に終了したばかりである。一方、公表資料分析については、順調に進行しているが、データを扱うため、常に新しさが求められており、できるだけ早い段階での報告が必要となる、そこで2つの研究をできるだけ早く分析、考察を行うため、単純入力等の作業は、業者または学生アルバイトに委託する必要がある。今回はその経費を計上している。
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