2021 Fiscal Year Research-status Report
東京高層化地域における事業所変遷の実態と数理モデルの構築
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20K02167
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
坂本 憲昭 法政大学, 経済学部, 教授 (70386324)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | SS過疎地 / 台湾 / 郵便局難民 / 待ち行列シミュレーション / 小地域事業所数 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度の研究実績として,大きく2つを示す。 まず,令和2年度末に令和3年度の研究遂行課題として掲げた,サービスステーション(ガソリンスタンド,以下SS)の過疎地域に焦点をあてた数理モデルについて,全国を対象とした分析をおこない,その際に,モデルの精度をより高めるために先行研究で用いた人口ではなく直接的に影響を受ける自動車保有台数に着目した。その結果は,SSのほか自動車との関係が強い自動車整備業も同様な結果が得られ,そのほかの業種では相関がないことを示した。このモデルを利活用し,ほかの地域と比較してSS減少の懸念がある地域を5段階の懸念度であきらかにした。本成果は紀要および経済統計学会にて発表し,その内容は一般公開されている。 次に,補助事業期間中の研究実施計画として掲げた,海外の事業所数に提案手法を適用し日本との差異をあきらかにすることについては,国外として台湾を研究対象とし,COVID-19の影響により現地調査等をすることができなかったためGoogle検索を活用し,6業種について日本との比較をおこなった。台湾においては,SSと歯科以外は人口で強い相関が得られ,データ収集や分析等のコストを考えると,本研究の数理モデルが不要であることを結論とした。本成果は日本オペレーションズ・リサーチ学会にて発表した。 一方,申請時の研究目的として掲げた,今後も建設が続く高層マンション地域に対する知見とコンパクトシティのあるべき姿を示す研究遂行において,急激な人口増加に対して事業所数の不足による混雑を緩和/検討/把握するための新しいシミュレーション技法を提案した。この手法により,東京都湾岸地域において発生している郵便局難民の状況を再現した。本成果は日本オペレーションズ・リサーチ学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究実施計画は5つあり,これまでおおむね3つ実施した。残り2つのうち,ひとつをすでに着手しており,この秋に発表の予定である。残りの計画については,現地調査のためCOVID-19の状況から考えるに夏季前には着手できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の研究実施計画は5つあり,これまで3つ実施した。残り2つのうち,ひとつは,令和3年度の研究実績として得られたインターネットを活用したデータ収集法(知見とアルゴリズム)を使用し,統計データが公開されていない眼科(単科診療所)についてコンパクトシティの為の事業所数に関する知見をまとめる。残りの研究計画である研究対象である昭和の団地については,現地調査を実施する。さらにこの団地の調査結果と令和3年度の海外調査において得られた台湾以外のコンパクトシティについて比較をおこなう。
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Causes of Carryover |
学会発表がすべてオンライン開催となり,旅費の支出がなかった為。人件費・謝金については,現地調査費用の計画であったが,実施できなかった為。令和4年度に使用予定である。
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