2022 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児の地域社会型家族支援システム「ドゥーリア」モデルの構築
Project/Area Number |
20K02182
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 亜紀子 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (40442438)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 家族支援 / 発達障碍児 / 地域社会 / ドゥーリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発達障害児の地域社会型家族支援システム「ドゥーリア」モデルを構築することを目的としている。研究課題としては、現状分析として、第1にわが国の障害者家族の支援政策の特徴の明確化、第2に発達障害児の家族に対する地域社会における支援実態の明確化、第3に発達障害児の家族のQOL(生活の質)の実態の明確化を設定している。これらの現状分析をふまえ、地域社会型家族支援システムとして有効な「ドゥーリア」モデルの具体的内容を検討する予定である。 2022年度は、(1)発達障害児の家族に対する地域社会における支援実態として親の会の分析、(2)障害児家族支援政策の国際比較調査の2点を研究として実施した。 (1)については、地域社会で唯一、有効な支援主体であることが想定される親の会について検討を行った。2つの地域の親の会における調査、分析の結果をもとに、有効な支援が構築されている一方、それらの支援は親の連帯が余儀なくされる結果であることを示した。この分析結果は、『社会の変容と暮らしの再生』(室井研二・山下亜紀子編,2022年9月発行,学文社)において論文として発表した。 (2)については、日本の障害児家族支援政策の特徴の分析の基礎資料とするため、ドイツにおける家族支援政策や家族支援実態の調査を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、これまで行っていた調査をもとに発達障害児の家族に対する地域社会における支援実態の分析と論文の公表を行い、国際調査を実施した。しかしながら、Covid-19が継続しており、予定していた調査、分析が一部実施できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は、発達障害児の地域社会型家族支援システム「ドゥーリア」モデルを構築することを目的としている。3年目となる2022年度は、(1)発達障害児の家族に対する地域社会における支援実態として親の会の分析のまとめ、(2)障害児家族支援政策の国際比較のためのドイツ調査に取り組んだ。 今後は、障害者家族支援政策の国際比較調査の継続、地域社会における家族に対する支援実態の調査を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
当初実施を予定していた調査や分析がCovid-19の問題のために遂行できなかった。あわせて、学会がオンライン開催やハイブリッド開催となったものもあり、旅費が不要となったものもあった。 使用額の使用計画:2020年度,2021年度に遂行できなかった調査の旅費、また調査の分析やまとめにかかる費用、さらに学会参加の旅費に充当する。
|
Research Products
(4 results)