2020 Fiscal Year Research-status Report
高等学校での中途退学防止及び進路移行におけるソーシャルワーク支援プログラムの構築
Project/Area Number |
20K02202
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
門田 光司 久留米大学, 文学部, 教授 (50269081)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 高等学校中途退学 / スクールソーシャルワーカー / 学校ソーシャルワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究計画は、高等学校の中途退学未然防止に関する実態調査の実施である。調査は2020年11月13日~2020年12月15日の期間で、全国の全日制高等学校700校、定時制 高校567校の教務部担当教諭を対象に郵送調査を実施した。調査の回収数は、全日制高等学校が183校(回収率26%)、定時制高等学校が168校(30%)であった。調査結果では、中途退学未然防止の取り組みとしては「早期の個人面談」「人間関係づくり」「生徒参加型授業」「達成感を与える授業展開」「公開授業による指導力向上」「遅刻欠席への登校指導の充実」「教育相談や生徒指導の見直し」「家族への働きかけ」「校内相談支援体制の充実」が、学校の組織体制と指導体制では「教育相談室の確保」、中途退学者支援と指導では「本人や家族との密接な連絡体制」「多様な進路に向けた支援」、保護者との信頼関係構築では「保護者の願いや気持ち等の傾聴」「家庭訪問の実施」などが多くの高等学校で実施されていた。また、スクールソーシャルワーカー支援の必要性の有無では、全日制で60.1%、定時制で78.7%が「必要と思う」の回答であった。スクールソーシャルワーカー支援の必要性の理由では、生徒の家庭環境の課題が多様化してきており、関係機関との連携を担うスクールソーシャルワーカーが必要という意見であった。今回の調査結果より、中途退学未然防止に向けた取組みでは、学校を中心とした取組と、学校と関係機関とのネットワークの構築の2点が大いに求められていることが見出せた。 他方、本年度の研究計画である韓国と台湾での海外調査は、新型コロナウイルス対策のため渡航できず、実施できかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度の研究計画は、①高等学校における中途退学未然防止に向けた取組み内容及びスクールソーシャルワーカー支援の必要性について、全国の高等学校へのアンケート調査を実施することと、②海外(韓国及び台湾)の教育委員会及びスクールソーシャルワーカーへの聞取り調査を実施することであった。 高等学校へのアンケート調査は2020年11月13日~2020年12月15日の期間で実施し、調査結果の集計と分析も終了した。 しかし、海外調査は新型コロナウイルス対策により海外への渡航ができず、そのため訪問調査の実施ができなかった。そのため、本研究計画の実施が2022年度までであるので、2022年度までに海外の訪問調査が可能となれば、訪問調査を実施する予定である。しかし、2022年度も海外渡航が困難な場合は、オンラインでの聴き取り調査やアンケート調査で実施していく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、①高等学校でのスクールソーシャルワーカー配置に関する都道府県教育委員会へのアンケート調査の実施と、高等学校スクールソーシャルワーカーへの支援内容に関する聞取り調査の実施、②シンガポールでの高等学校中途退学防止センターでの訪問調査及びスクールソーシャルワーカーへの聴き取り調査の実施、③高等学校中途退学に向けたスクールソーシャルワーカーによる支援プログラムの開発である。 2022年度は、福岡県内の高等学校スクールソーシャルワーカー12名の協力を得て、開発した支援プログラムを実施してもらい、その有効性を検証していくことと、支援プログラムの報告書を発行することである。 なお、2021年度においても新型コロナウイルス対策により海外調査(韓国、台湾、シンガポール)の実施が出来ない場合、2022年度で海外調査を実施していく予定である。しかし、2022年度も新型コロナウイルス対策にて海外渡航が困難な場合には、オンラインでの聴き取り調査やアンケート調査を2022年度中に実施していく予定である。
|
Causes of Carryover |
交付時点で海外調査(韓国・台湾)の旅費を計上していたが、新型コロナウイルスの影響により、予定していた海外調査の出張がなくなったことから、残高が生じた。 残高については、次年度に海外調査に係る費用にあて、研究に影響がでないように遂行 したい。
|
Research Products
(1 results)