2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K02203
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
天野 ゆかり 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 講師 (60469484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比留間 洋一 静岡大学, 国際連携推進機構, 特任准教授 (30388219)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アジア / ベトナム / 介護 / 高齢者ケア / 外国人介護人材 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の予定では、海外調査として、ベトナムおよびインドネシアにおける介護関連の資格化の動向について現地調査をする予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う移動規制により断念した。現地調査の代替として、ベトナム、タイ、中国の高齢者ケアや介護人材育成にかかわる機関と遠隔会議システムを活用して情報収集した。 国内調査では、外国人介護人材の受け入れを積極的に実施している法人担当者に対し遠隔および対面による聞き取り、メール等による情報収集を実施した。また、ベトナム人介護留学生に対し、オンラインでの母国語学習支援や国家試験の読解過程調査などを通し、ベトナム人が日本の介護をどのように理解しているのかなどの傾向を探った。 文献調査および、技能実習や介護留学生に関する全国アンケートデータの2次分析にも取り掛かっており、外国人介護人材に関する全国的動向を探った。外国人介護人材の受け入れに関しては、現場の評価も高く、当事者の満足度もおおむね高かった。これにより、介護福祉士資格取得などによりキャリアアップをはかり、引き続き日本に滞在してほしい、滞在したいというニーズも高いことが分かった。一方で、留学生の介護福祉士国家試験の合格率は4割を切るなど苦戦している。日本の介護を学び、現場で経験した人材は、将来的に自国の高齢者ケアを担うだけでなく、人材育成にかかわる可能性も高い。外国人介護人材のキャリア形成をサポートするためにも、資格取得のための支援やノウハウの蓄積がさらに重要になる。 アジアも同様に新型コロナウィルス関連の対応で、介護人材育成や日本への送り出しが滞っており、新たな資格化の動きは見いだせなかったが、遠隔会議システムの急速な普及により、かえって情報収集しやすくなった面もあり、リアルタイムでの情報収集が可能となっている。 研究の成果としては、論文4本、学会等発表5本、書籍1本となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、高齢者ケアの資格化に向けベトナムやインドネシアなど政府機関や教育機関がどのような構想や取り組みをしているのか、現場でどのような教育が実施されているのか調査する予定であったが、現地に行けないこと、現地でも教育や政策関連の動きが止まっていることから、十分な調査ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も海外での調査は難しいと思われるため、遠隔会議システムを活用した聞き取りと文献調査を継続する。 国内調査では、感染状況を確認しながら可能な範囲での訪問による調査を実施し、それと並行して、文献調査も進める。 特に、日本およびアジア(インドネシア、ベトナム等)の高齢者ケアをよく知るキーパーソンに対する聞き取り調査を実施し、質的な分析を進め、日本とアジアの介護制度や介護サービスの相違点、今後の高齢者サービス開発や人材育成に関する考察をすすめる。
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Causes of Carryover |
当該年度は海外調査と国内調査を予定していたが、コロナの関係で、ほとんどが実施できなかったため、旅費として考えていた分が使用できなかった。
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