2020 Fiscal Year Research-status Report
Deveolpment of suppot programs for parents with addiction and their children
Project/Area Number |
20K02205
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森田 展彰 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 透高 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (10341158)
村瀬 華子 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (40816089)
新田 千枝 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (40868105)
新井 清美 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (50509700)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アディクションのある親 / 養育困難 / ヤングケアラー |
Outline of Annual Research Achievements |
研究1:アディクションのある親と子どもへ支援プログラムの開発と有効性の検証 国内外のアディクションのある親と子どもへ支援プログラムについて、文献調査などを行い、それをもとに叩き台となるプログラムの作成を行った。国内のプログラムとしては、成増更生病院のアルコール依存症の子どもに対するプログラムや、ダルク女性ハウスの依存症の母親支援プログラムがあり、その内容について実施者からお話を伺うなどをした。国外のプログラムについてもレビューを行い、6つほどの実証性のある有用なプログラム(ベティフォードセンターの子どもプログラム、MPACT,COSAP,Renascent Chidlren's Program, EBFT,FOF,PSBCT)を見出し、その詳細な内容について検討した。以上をもとに①子どもの親の依存症のことを説明する内容を行う。これにより子どもに、アディクションへの対応の責任を持たなくていいことを伝えること、②親子でのコミュニケーションをよいものにして、アディクションやその他のことに関する気持ちを話せるようになる。③ピアの交流を行うグループで親同士や子ども同士で話し合える場を作ることで、孤立を防ぐ。④年齢や社会経済的な背景を考慮して、多様な支援経路(医療、教育現場、母子保健など)や手法(電話相談、WEB、漫画など)問題に取り組む状況を作り出す。という開保津方針をたて、これに基づいてプログラムの叩き台を作成した。またコロナ禍の状況を勘案して、オンラインによる相談や動画を用いた心理教育を作成する計画を立てている。 研究2:親にアディクションがある親子の事例に対する支援ニーズの評価ツールの叩き台を作成している。これは研究代表者らが以前に行った全国児童相談所通告事例における親のアディクションに関する研究や、子ども時代に精神障害の親に養育された方のWEB調査の結果をもとにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1のアディクションのある親と子どもへ支援プログラムの開発や、研究2の親にアディクションがある親子の事例に対する支援ニーズの評価ツールの開発は、その叩き台を作成することまでは順調である。しかし、これを実際に他の支援者や当事者に見ていただいたり仕上げていくプロセスが、コロナ禍の影響で、難しい情勢である。オンラインなど用いた形で、この作業を進めていくことを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1のアディクションのある親と子どもへ支援プログラムの要素となる親や子どもに対して依存症のことを説明し、自分や親を過度に責めないようにする心理教育をする部分をまずやっていくつもりである。そのための親用と子供の用のパンフレットは準備し、これを提示した際の親子や援助者の感想を尋ねるという調査を行うことを予定にしている。この調査に関する倫理審査は承認を得ている。これを行う際には研究2の親子のニーズをどのように聞き取るかという内容も含まれている。以上のアディクションとは何かを伝えるというシンプルな働きかけの効果をみて、その上で更に親子間での交流を助けたり、親や子どもの持つ否定的な認知などについても取り扱う内容を入れていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で、プログラムや親子の支援ニーズ評価の叩き台について、実際に臨床現場で用いてみるという研究がおこなうことができておらず、その点について次年度に繰り越された。次年度には、アディクションのある親とその子どもに対する支援を実際に行い、その反応を調べる研究を行うことを予定している。
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Research Products
(2 results)