2020 Fiscal Year Research-status Report
社会的養育における「家庭環境での短期預かり」の実態と可能性
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20K02207
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田北 雅裕 九州大学, 人間環境学研究院, 講師 (20551550)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 養育里親 / ショートステイ里親 / 社会的養育 / 協働養育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国内外の複数都市の事例調査を主に進めるものだが、COVID-19の影響を鑑み、本年度は先行研究のレビューおよびインターネットを中心とした資料調査に取り組み、また、研究者が居住するとともにプロジェクトにも参画している福岡市における「ショートステイ里親」事業の調査について、優先的に取り組んだ。 その結果、まず、国内で取り組まれている「家庭環境での短期預かり」の多様なサービスの全体像を把握することができた。そして、福岡市は里親等委託率が他都市と比して高いだけでなく、2016年度から「家庭環境での短期預かり」の事例の1つであるショートステイ里親事業に官民連携で取り組んでおり、その特徴と課題について改めて整理することができた。 具体的には、ショートステイ里親は、児童相談所が措置をする一般的な養育里親や一時保護里親と異なり、児童相談所と福岡市子ども家庭課、そしてサービス主体である福岡市西区との連携が必須の事業である。それに加えて、福岡市の場合はNPO法人が調整機関および後方支援機関として加わるために、多主体の協働の善し悪しが事業成果に大きく影響していることが示唆された。本研究は「協働養育」を社会的養育における在宅支援の在り方の一つとして位置付けている。福岡市のショートステイ里親事業は、政令市における官民連携に基づいた「協働養育」の一形態であり、本調査を通してその課題の一端を整理することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響を鑑み、複数都市の事例調査は次年度以降に持ち越したが、その分、研究者が関わっている福岡市の事例について、詳細の調査と分析に取り組むことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の広がりに配慮しながら、国内における複数都市の事例調査に取り組む予定である。その結果から、ショートステイ里親や週末里親等の社会的養育における「家庭環境での短期預かり」の各地の実態について詳細に分析し、その課題と可能性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、国内外の出張を控えたため。次年度は、COVID-19の広がりに配慮しつつ、複数都市に出張し、詳細の事例調査を行う予定である。
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