2022 Fiscal Year Research-status Report
社会的養育における「家庭環境での短期預かり」の実態と可能性
Project/Area Number |
20K02207
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田北 雅裕 九州大学, 人間環境学研究院, 講師 (20551550)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 養育里親 / 里親ショートステイ / 社会的養育 / 協働養育 / サービスデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
福岡市において、2018年度から西区において進められてきた「里親ショートステイ事業」が、今年度、市全域へと事業対象が広げられ、また、新たなNPO法人が調整機関として市より委託されることになり、NPO法人2団体を調整機関とした本格的な「里親ショートステイ事業」が展開されることなった。従来は、新規に登録のあった養育里親のみ「ショートステイ里親」に登録可能であったが、昨年度半ばより、養育里親としてすでに登録している里親も「ショートステイ里親」に登録可能となり、ショートステイの受け皿となり得る養育里親の数が劇的に増加した。その一方で、育児疲れ等による利用ニーズや、子どもショートステイの認知度も同時に高まり、申し込み人数に対しての受け皿が不足する状況が続いている。本年度は、そうした過渡期にある福岡市の実態調査に取り組み、里親を活用とした「家庭環境での短期預かり」の現時点での課題を分析し、他自治体へも援用可能な知見を整理することができた。また、全国的にも里親や協力家庭が受け皿となったショートステイ事業や、困り事を抱えた家庭を伴走的にサポートする、多様な子どもの短期預かりサービスが拡がってきている。そうしたサービスの実態把握に努めると共に、特に複数の協力家庭で連携しながら取り組みを進める新宿区の特徴的な実践について、区および運営組織に対してインタビュー調査等に取り組んだ。また、本年度は、今までの研究成果を民間団体主催の2つのフォーラムで講演というかたちで発表することができた。予定していた海外調査は、昨年度同様、COVID-19の影響で断念した。その結果、研究期間を1年延長し、さらなる調査に取り組むこととした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた調査がまだ十分に実現できずにいるため
|
Strategy for Future Research Activity |
子どもおよび親子を支えるための在宅支援サービスが全国的に過渡期にあり、ショートステイ事業をはじめとして、多様化の様相を帯びている。よって、昨年度から当初の想定を越えた詳細の調査に取り組んでおり、最終的にどのように取りまとめるのか、10月までに決定の予定である。また、浦河町(北海道)、明石市(兵庫県)、パリ(フランス)について、本年度調査を予定している。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、一部の国内外の現地調査を見送ったことが、次年度使用額が生じた主な理由である。次年度は、複数の国内外の調査に取り組むと共に、調査結果を分析・取りまとめるための人件費等に支出を予定している。
|