2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症の人の家族のための知識情報マッチングシステム構築
Project/Area Number |
20K02232
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
呑海 沙織 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (60523173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 智惠子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (40283030)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症支援 / 知識情報マッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「認知症の人の家族のための知識情報マッチングシステム構築」では,認知症の人の家族と,彼らが必要とする知識情報をマッチングするシステムを構築することを目的とする。研究課題は,(1)認知症の人の家族の認知症に関する知識情報ニーズの解明,(2)認知症に関する知識情報の内容分析指標の作成,(3)認知症に関する知識情報マッチングシステムの構築と評価である。初年度である2020年度については,研究課題(1)の質問紙調査のデザイン及び実施,研究課題(2)の内容分析指標案の作成を実施した。 研究課題(1)について,認知症の人の家族の認知症に関する知識情報の入手の実態やニーズを明らかにすることを目的として,質問紙調査を実施した。調査対象は,日本国内在住で,認知症者を家族にもち,その認知症者と同居または月に1日以上の頻度で会っている者で,年齢65歳以上の男女各50名と,65歳未満の男女各50名,計200名である。調査協力者を募ることが比較的困難である領域であることと,コロナウイルス感染症拡大防止を鑑み,ウェブ調査とした。調査内容は,認知症に関する知識情報の入手方法,認知症に関する本の活用状況,認知症に関する知識情報の入手右舷としての図書館の利用状況等である。 研究課題(2)について,認知症に関する知識情報マッチングシステムに導入するため,認知症に関する知識情報の内容分析指標案の検討を行った。この指標は,知識情報指標と感情的効果指標で構成されるが,今年度は特に知識情報指標のプロトタイプについて検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の計画は,研究課題(1)「認知症の人の家族の認知症に関する知識情報ニーズの解明」のうち,認知症の人の家族の認知症に関する知識情報の入手の実態やニーズを明らかにすることを目的として質問紙調査を実施すること,研究課題(2)「認知症に関する知識情報の内容分析指標の作成」のうち,内容分析指標案の作成を行うとともに,内容分析を実施することであった。 研究課題(1)については,予定通り,認知症の人の家族を対象として質問紙調査を実施した。ただし,調査協力者を募ることが比較的困難である領域であることと,コロナウイルス感染症拡大防止を鑑み,ウェブ調査とした。調査内容は,認知症に関する知識情報の入手方法,認知症に関する本の活用状況,認知症に関する知識情報の入手手段のひとつとしての図書館の利用状況等である。この調査によって,認知症に関する知識情報の入手方法や,認知症に関する本の利用,意向,読書の実態,読書による影響に関する回答結果を得ることができた。よって研究課題(1)については,おおむね順調に進展しているといえるが,分析結果によっては,知識情報のニーズについて追加調査が必要である可能性がある。。 研究課題(2)については,内容分析指標のうち,知識情報指標のプロトタイプに関する検討を行ったが,感情的効果指標については検討することができなかった。また,グループワークを伴う内容分析の実施も行うことができなかった。よって,課題(2)については,やや遅れている。これらの状況を総合的にみて,現在までの進捗状況はやや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目にあたる2021年度については,研究課題(1)については,調査結果の分析および分析結果によっては追加調査を実施する。研究課題(2)については,内容分析指標のプロトタイプの作成を行うとともに,内容分析を行い,プロトタイプの検証を実施する。研究課題(3)については,認知症に関する知識情報マッチングシステムのデザインを行う。なお,研究課題(2)の内容分析およびその評価については,集合型のグループワークを前提にデザインしているため,研究方法の見直しが必要である。オンライン同時双方型でのグループワークの実施を検討するが,場合によっては,リモート非同期型の実施を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため,集合型のグループワークを見合わせたため,次年度使用金が生じた。今後は,新型コロナウイルス感染症の状況をみながら,充分に感染防止対策を行った状況下で集合型グループワークを実施するか,オンライン同時双方型でのグループワークの実施を検討する。場合によっては,リモート非同期型の実施を検討する。感染症対策を行った状況下で実施する場合は,感染症対策のための機器や消耗品に充てる。オンライン同時双方向型あるいは,リモート型非同期型の場合は,評価を実施するための物理的な資料が複数必要となるため,評価対象資料の購入費に充てる。また場合によっては,グループワーク参加者のオンラインでの実施を支援するための機器あるいは人的リソースに充てる。
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Research Products
(1 results)