2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K02240
|
Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
長谷川 真司 山口県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (50438868)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 社会福祉史 / 民間財源 / ファンドレイジング |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は『社会福祉施設史資料集成』第Ⅰ期から第Ⅲ期に収録されている施設や機関のうち第Ⅰ期に収録されている施設や機関の年史から検証をはじめ、戦前期の各施設や機関が財源確保のためどのような手法を活用していたかについて検証し、各施設や機関ごとの特徴や福祉分野における財源確保の手法の共通性などについて分析を行っている。あわせて、年史から分析を行う予定の施設や機関について年史以外に関連資料や文献の収集に努めた。また、『社会福祉史資料集成』に収録されている以外の施設で検証可能な施設や機関の検討を行った。 また、戦前期の社会事業施設や組織における民間財源の必要性の社会的背景及び民間財源支援の状況について関連する史料や文献の収集を行い分析のための準備を行った。 また、現代のファンドレイジングの手法との共通性や先駆性の観点から検証を行うため、現代のファンドレイジングの手法を学ぶ目的で資格取得のための研修を受講していたファンドレイジング協会の年次カンファレンスであるファンドレイジングジャパンにおいて一つの分科会で戦前期の祉分野におけるファンドレイジングの取り組みについて報告を行った。 さらに、今年度からコミュニティソーシャルワークとファンドレイジングを学ぶ新しい研修体制の構築を図るなかで、講座の一つとして戦前の福祉施設の財源確保についての講義を企画し、講義の内容に研究成果の一部を含め講義を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍において、東京への往来が難しく、東京の大学の図書館での史料や文献の収集が出来なかっため2年目の進捗も遅れている状況である。また、コロナ禍で学生対応等の大学業務が多くなり、入手できている年史の分析についても予定より進んでいない状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
戦前期の民間施設や組織の年史や関連史料や文献等を用いて、個々の施設について民間財源確保のためどのような手法を活用していたかに関する視点からさらに分析を進める。そのうえで、戦前の社会福祉施設や組織で共通して活用されていた財源確保の手法や特徴的な手法について検証を行う。 また、戦前期の社会事業施設や組織における民間財源確保の必要性の社会的背景及び民間財源支援の状況について、関連する史料や文献を収集しまとめる作業を進める。 また、日本ファンドレイジング協会の准認定ファンドレイザーの資格を取得し現代のファンドレイジングの手法についての学びを深め、戦前期の民間財源確保の手法との共通性や相違姓、そして現在の民間組織において適用可能な財源確保の手法等の検証を行う。
|
Causes of Carryover |
(理由)コロナ禍で当初予算を確保していた出張ができなかったため。また、貴重図書を購入予定であったが、次年度に購入することに変更したため。 (使用計画)次年度の旅費等として、コロナが落ち着き次第使用する。また、貴重図書は次年度購入する。あわせて、研究に必要な備品についても購入を検討する。
|