2021 Fiscal Year Research-status Report
刑の一部執行猶予制度下における薬物依存症者の地域連携支援に関する研究
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20K02244
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
五十嵐 愛子 文京学院大学, 看護学研究科, 特任教授 (70334852)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 薬物依存症者の回復 / 刑の一部執行猶予制度 / 地域連携支援 / 薬物依存症者 / 社会復帰支援 / 援助者の役割 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の計画は、①「刑の一部執行猶予者」の動向について文献調査を進める、②「刑の一部執行猶予」を受けた対象を支援している機関の援助者へのインタビュー調査についてはコロナ禍のため実施できなかった。 ①の計画である文献調査は順調に進められた。覚醒剤取締法違反による刑の一部執行猶予者の推移をみると平成29年は208名、平成30年は862名、令和元年は1,310名と毎年増加していた。また、令和元年の覚醒剤取締法違反「刑の一部執行猶予者」353名の保護観察終了は142名(40.2%)、覚醒剤取締法違反「刑の一部執行猶予者」の執行猶予取消は196名(55.5%)あり、覚醒剤取締法違反「刑の一部執行猶予者」の執行猶予取消その他15名(4.2%)の計211名(59.7%)の不良措置であった。令和2年の覚醒剤取締法違反「刑の一部執行猶予者」1,369名と増加した。令和2年の覚醒剤取締法違反「刑の一部執行猶予者」1,243名のうち保護観察終了は623名(50.1%)、覚醒剤取締法違反「刑の一部執行猶予者」の執行猶予取消は321名(25.8%)あり、他299名(24%)は刑の継続者であるが、他の罪刑に比して期間満了を迎えた者の割合は高いと言えない。覚醒剤取締法違反者の再犯率は平成27年ころより6割を超えており、刑の一部執行猶予者の覚醒剤取締法違反による再犯率も高い状況であるが、同法が施行されて間もないため、深く考察はできない。しかし、覚醒剤の使用者は犯罪であるとともに依存症という病気の視点からの治療継続を含む社会内での処遇が実践され社会復帰している薬物依存症者もいる。今後、文献調査とともにコロナ禍が収束したのちに、社会内処遇によって再犯なく生活できている人への支援の実態をインタビュー調査で進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍により、インタビュー調査が全く進んでいない。ただし、文献調査は計画通りに進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍が収束するまで、文献調査を進める。 コロナ禍の収束後に、インタビュー調査を展開し、本研究の目的である薬物依存症者に対しての支援の実態を明らかにして、薬物依存症者の社会復帰を図る地域での支援を提言していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、インタビュー調査ができず支出予算が少なかった。次年度、コロナ禍が鎮静されればインタビュー調査を開始する。
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