2023 Fiscal Year Research-status Report
障害当事者が行うアドボカシーの研修プログラムの開発及び普及に向けたシステムの構築
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20K02247
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
坂本 智代枝 大正大学, 人間学部, 教授 (00317645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栄 セツコ 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (40319596)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 障害者 / アドボカシー / ピアアドボカシー / ピアサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
障害当事者が行うアドボカシーに着目したプログラム開発やその普及に向けて、国際的な公開講演会と日本におけるピアスタッフと協働している専門職による実践報告を踏まえて、シンポジウムを実施する計画であった。そこで、今年度は障害当事者によるアドボカシーの考え方の普及に向けて、オーストラリアのコンシューマーの全国組織を組織化した経験のあるJanet Meagherさんを2023年12月9日に招聘し、「アドボカシー・リカバリー・ピアワーク」をタイトルとする公開講演会と日本のピアアドボカシーの実践者とのシンポジウムを開催した。さらに、後日1か月間程、広く普及するために公開講演会とシンポジウムの動画を配信した。 公開講演会(動画配信も含む)の効果とピアによるアドボカシーに対する理解の現状を把握するために参加者にアンケート調査を実施した。参加者200名に対して、無記名・自記式アンケートを実施し、106票の回収を得た(回答率は53%)。公開講演会におけるアドボカシーの理解について(N=92)よくできた(21名)、できた(57名)は、84%と概ね理解できた結果となり、今回の公開講演会について、ピアアドボカシーの理解は概ね効果があったことが示唆された。公開講演会とシンポジウムの内容を逐語記録にして編集し、参加者との質疑応答の回答、アンケート結果をまとめた報告書を作成し、広く普及した。 障害当事者が行うアドボカシーの機能と役割に関する研修プログラムとして、東京で研修会を実施し、20名の参加者にアンケートを行い効果を検証し、概ね効果が得られた。2022~2023年度に実施したインタビュー調査の分析結果の精緻化と研修プログラムのガイドブック内容を研修会のアンケート結果を踏まえて、ブラッシュアップした。 研究会は、公開講演会の打ち合わせとアンケートの分析及び報告書について、4回実施することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オーストラリアのピアアドボカシーの実践者である海外招聘を行うための準備を6月より開始し、講演会の内容の打ち合わせ等、招聘に係る手続きや資料の翻訳等、行った。さらに、動画配信や報告書、及びアンケートの分析に係る作業に多くの時間を費やした。 障害当事者が行うアドボカシーに関する研修会が1回のみとなり、作成したガイドブックのブラッシュアップが十分にできなかった。さらに、障害当事者が行うアドボカシーに関する研修プログラムの普及のためのホームページを作成して広く普及することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度の研究計画は、2023年度に予定していたインタビュー調査の追加のデータ収集及び分析を進め、日本精神障害者リハビリテーション学会等にて発表及び学会誌等に投稿し発表する予定である。さらに、広く普及するために障害当事者が行うアドボカシーのガイドブックを作成し、実践に活用できるようにすることである。そのために、研修会を関東及び関西、北海道等3か所で実施して、ガイドブックのブラッシュアップを行う。さらに、ホームページを作成して広く普及できるようにする。
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Causes of Carryover |
コロナ感染の影響により、海外招聘の公開講演会を研究計画より1年延期したことから、研究計画を1年後ろ倒しに行うことになったことが理由である。 2023年度に予定していたインタビュー調査の追加のデータ収集及び分析を進め、日本精神障害者リハビリテーション学会等にて発表及び学会誌等に投稿し発表する予定である。今後の課題は、広く普及するために障害当事者が行うアドボカシーのガイドブックを作成し、実践に活用できるようにすることである。そのために、研修会を関東及び関西、北海道等3か所で実施して、ガイドブックのブラッシュアップを行う。さらに、ホームページを作成して広く普及できるようにする。
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