2022 Fiscal Year Research-status Report
視覚障がい者の身体活動促進がもたらす社会参加の向上とQOLへの効果
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20K02248
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
辰田 和佳子 日本大学, スポーツ科学部, 准教授 (20455447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲山 貴代 長野県立大学, 健康発達学部, 教授 (50203211)
大河原 一憲 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (30631270)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 視覚障害 / 身体活動 / ヘルスプロモーション |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚障害者の身体活動量は少ないことから,身体活動促進を目指したガイドの作成を進めている。2022年度は、2021年度に実施した視覚障害者コミュニティを代表する当事者にフォーカスグループインタビューを分析し、身体活動実践のための工夫と必要な支援について個人内・個人的レベル,個人間レベル,組織,コミュニティ,地域レベル,公共政策的レベルに分類した.その結果,個人内・個人的レベルでは【活動強度をあげる】など6個,個人間レベルでは【仲間との実践行動】など2個,組織,コミュニティ・地域レベルでは【団体への所属】の計9個のカテゴリーにまとめられた.身体活動実践のために必要な支援は,個人内・個人的レベルでは【自身の知識・スキル】など2個,個人間レベルでは【誘ってくれる仲間の存在】など3個,コミュニティ・地域レベルでは【介助なしで利用可能な施設】など7個,公共政策的レベルでは【地域の道路整備】の計13個のカテゴリーにまとめられた.スポーツ施設に関する声が多く挙げられたことからも,視覚障害者が利用可能な施設である, 障害者スポーツセンター,公的スポーツセンター,民間のスポーツクラブの担当者に,視覚障害者利用の際の配慮や工夫,スポーツセンター側のメリット等についてのインタビューを実施した. 身体活動実践に関する情報へのアクセスやその活用といったヘルスリテラシーの向上や教育成果を共有できるネットワークづくり,さらには,スポーツクラブなどの地域にある組織が視覚障害者の身体活動促進を支援できるようになるための具体的なサービスやガイドの提案が必要であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19 の影響から昨年度計画の見直しをはかったが,最終年度のガイド作成に向け予定通り進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果から得られた内容に基づき,当事者向けの情報資料を作成中である。この内容を当事者との意見交換やワークショップから修正を加え完成させる予定である.また,支援者となるスポーツセンタースタッフに向けた,視覚障害者利用のためのガイドを視覚障害者当事者と協同で作成する予定である.
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Causes of Carryover |
ガイド作成のためのインタビューや研究分担者間の打ち合わせについてオンライン方式にしたこと、予定していた国際学会(アメリカ)での発表を、COVID-19で延期開催された日本開催の会議に変更したこと、以上に理由により旅費の使用が見込みよりも少なくなっている.また最終年度(3年目)使用予定だったホームページやガイド作成のための使用を延長により次年度に予定している. 今後は,対面での打ち合わせやワークショップ,ヒアリングによる旅費及び謝金と,情報媒体の作成に使用予定である.また,これまでのヒアリングなどから,ホームページの作成については,実施を検討し,ガイドの作成が主となる可能性がある.
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Research Products
(1 results)