2020 Fiscal Year Research-status Report
Support program for the siblings of persons with disabilities: Effective model building and process research
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20K02265
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
清水 由香 (丸山由香) 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 助教 (90336793)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 障害児・者のきょうだい / 障害児・者の家族 / きょうだい支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
障害児・者のきょうだい(「きょうだい」と略)を対象にした実証研究の方向性を検討をすることを目的に先行研究を整理した。「きょうだい」に関する研究は、きょうだい自身の心理社会的な状況の分析とその支援ニーズと支援内容と効果に関することで占められる。主に、心理社会的状況に関する分析の視点は、家族機能や関係性における役割やストレスとその関連要因に焦点をあてられている。また、否定的な側面のみならず肯定的側面の両面がとりあげられている。2つ目にライフコースや発達課題の視点による分析がある。ライフコースにおけるターニングポイント(職業選択や結婚、支援者との出会い)や、「きょうだい」であることのライフコースへの影響の様相やプロセスに焦点をあてられていた。3つ目の支援については、障害児や病児の「きょうだい」を対象に、レクリエーションをとりいれ、「きょうだい」自身のやきょうだいの病気や障害の理解に資する米国のモデルによるプログラムの導入、普及が実践事例紹介から把握できる。阿部(2015)によるポートフォリオ絵本による障害理解支援プログラム開発の研究成果がある。いずれも児童を対象としている。他の支援にはピアサポートなど自助グループがある。多くの団体がとり入れている支援機能であるが、自助グループの限界点として「きょうだい」個別性や個別ニーズの対応の難しさが指摘されている。 先行研究において、看護や教育領域の研究が比較的多く、児童や若年者の「きょうだい」の研究が目立ち、成人した「きょうだい」対象の支援プログラムの開発や、人生経験を経てきたきょうだいのニーズに適合した支援プログラムの検討については極めて少なかった。今後は、先行研究の他、支援実践者らの情報分析を含めて、成人のライフコースや困難度と関連する要因を考慮した、支援ニーズとそのプログラムの検討を進めていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の他に、主たる研究の協力者である大学院生の研究参加が事情により困難になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画を見直し、さらに文献検討、および実践団体の情報発信の情報収集をすすめていく。そこから他の障害児・者きょうだいの支援実践者や研究者とのネットワークにアプローチし、現実的な研究ニーズを検討していく。そして、主に成人対象のきょうだい支援に関する研究に焦点をあてて、展開していくこととする。
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Causes of Carryover |
COVID19感染により、国内旅費の使用ができなかったことによる。研究協力者の大学院生の協力が事情により見込めず、インタビュー調査の計画が進められなかったことによる。次年度の使用計画は、研究報告にかかる経費および、文献資料の収集費用などに充てる。
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