2020 Fiscal Year Research-status Report
自閉スペクトラム症(ASD)者の職場定着支援における効果モデルの構築と検証
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20K02273
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Research Institution | Gunma University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
川端 奈津子 群馬医療福祉大学, 社会福祉学部, 助教 (70770105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新藤 健太 群馬医療福祉大学, 社会福祉学部, 助教 (00752205)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症(ASD)者 / 職場定着 / 障害者雇用 / プログラム評価 / 効果モデル / 一般企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、一般企業(特例子会社を除く)で働く自閉スペクトラム症(Autism-spectrum Disorder:以下、ASD)者の職場定着促進のため、プログラム評価の理論と方法論を用いて、雇用現場の参画と協働による効果的プログラムモデル(以下、効果モデル)を構築することである。 本研究は、第1~第5ステージで進める。研究1年目にあたる2020年度は、第1ステージ:効果モデル構築のためのアプローチ法検討と合意形成の取り組みを行った。具体的には、本研究が構築すべき「一般企業で働くASD者を対象とした職場定着支援の効果モデル」が最終的に目指すゴールを明確化し、仮のインパクト理論(効果モデルが取り組むべき活動の手順やこれを実施する組織体制)の作成に取り組んだ。 その結果、「一般企業で働くASD者を対象とした職場定着支援の効果モデル」の最終ゴールとして「ASD者が一般企業で質の高い安定的な職業生活を継続できる」が設定された。また、このゴールに向かって達成すべきアウトカムの流れとして、①ASD者本人、②事業主、③社員(同僚・上司)、④地域や社会、それぞれにおける変化が重要であることが明らかになった。さらに、この作成過程で研究テーマに関する先行研究を収集・分析することで、国内外における研究の動向が把握できた。 現在、第2ステージ:予備的プログラム評価調査の取り組みのため、第1ステージで作成した仮のインパクト理論及びプロセス理論に基づいたインタビューガイドを作成して事例調査を遂行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初は、2020年度中には第2ステージ:予備的プログラム評価調査の実施、第3ステージ:暫定効果モデルの構築を終える予定であったが、第2ステージ及び第3ステージを終えることができなかった。 理由として、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、研究開始当初から第2ステージの予備的プログラム調査(訪問調査)の実施が困難になってしまったことが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗が「遅れている」ため、2021年度は、第2ステージ:予備的プログラム表か調査及び第3ステージ:暫定効果モデルの構築を終え、第4ステージ:全国事業所調査を実施する必要がある。 しかしながら、前年度に引き続き訪問での対面調査は難しいため、調査方法をオンライン会議システムを利用してのインタビュー調査に変更して、必要な調査を進捗させたいと考えている。
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Causes of Carryover |
第2ステージ:予備的プログラム評価調査の実施を予定していた全国約20件の訪問調査が新型コロナウイルス感染拡大の影響で実施できなくなったことが最大の理由である。
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