2022 Fiscal Year Research-status Report
8050問題への視点の転換:中高年ひきこもりの家族機能と親に対する支援策の提言
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20K02274
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
山崎 幸子 学校法人文京学院 文京学院大学, 人間学部, 教授 (10550840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 毅 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (10463845)
宇良 千秋 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60415495)
新名 正弥 田園調布学園大学, 人間福祉学部, 准教授 (70312288)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 8050問題 / 中高年ひきこもり / 高齢者 / TEM |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に中高年ひきこもり者に対しインタビュー調査した内容を用いて,ひきこもり状態から再び社会とつながるまでの過程を明らかにするための分析を実施した。対象者は中高年ひきこもり経験者3名(男性2名,女性1名)であった。ひきこもり期間は9年から27年間であった。各調査対象者には,1回90分程度の半構造化面接を2回ずつ実施した。調査内容は,ひきこもりのきっかけやひきこもり中の生活,支援機関につながった経緯などを尋ねた。分析には複線径路等至性モデル(TEM)を用いた。 分析の結果,対人不安がひきこもり生活に影響し,社会規範や家から外に出したい親の意向を受けつつも,外に出られない葛藤が認められた。この長いひきこもり生活において再び社会とつながるための意識の変容には,自分や親に対する老いへの気づきや自覚そのものが,長いひきこもり生活にピリオドを打つきっかけになりうることが示された。したがって,中高年ひきこもりの支援においては,当事者がこのような気づきを得た機会を取りこぼすことなく,スムーズに支援が行えるよう,継続した関係を持ち続けることが重要である。また,再び社会とつながった後も,就労意欲が高い場合は,長いひきこもり生活による体力の低下などを配慮した短い時間で体験できる就労から始められるような取り組みの提案等が功を奏する可能性があることを見出された。以上より,得られた成果は,若年層のひきこもりとはその事由が異なること,また,長いひきこもり生活にピリオドを打つその要因として,当事者の「老い」が,意識変容のきっかけになりうることが明らかとなり,老いを活用した支援内容を検討することが今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19による感染対策の影響を受け,当初予定していた研究フィールドである自治体の協力を仰ぐことが困難であり,中高年ひきこもり者を同定するための量的調査が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた自治体ではなく,調査会社等の協力を経て,量的調査を完遂し,潜在的な中高年ひきこもり問題の要因を明らかにする。
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Causes of Carryover |
当初より予定していた量的調査の実施が,コロナの影響により延期になっているため超過分が生じている。コロナも収束したこと,また調査会社の協力を得る準備が整ったため,本研究費を用い,今年度に大規模な地域限定の調査を行うことを計画している。
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Research Products
(1 results)