2021 Fiscal Year Research-status Report
過敏性の高い子どもに対する保育士のソーシャルワークコンピテンシーモデルの構築
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20K02285
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 佳代子 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (00364125)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | HSC / 敏感な子ども / 保育所 / 保育士 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は敏感性の高い子ども(Highly Sensitive Child:以下、HSC)の支援にかかわる保育所保育士のソーシャルワークコンピテンシーを見出し、HSC支援のためのコンピテンシーモデルを構築することを目的としている。HSCに対する支援の必要性は国内外で注目されているが、我が国では乳幼児期のHSCに関する実態解明や適切な発達支援についての言及は十分になされていない現状にある。 令和3年度(研究2年目)は令和2年度(研究1年目)に行ったHSCに関する国内外の文献研究をふまえ、保育所保育士を対象としたインタビュー調査と質問紙調査を実施した。インタビュー調査は保育士のHSC傾向のある子どもの保育経験について明らかにすることを目的として令和3年11月~12月に16名の保育士に対し聞き取りを行った。得られたデータは、計量テキスト分析手法を用いて整理・分析した。その結果、調査対象となったすべての保育士が非常に敏感な子どもの保育を経験していること、高敏感な子どもは保育場面において、音、大きな声、肌感触など他児とは違う感覚を有しているととらえていること等が明確になった。また、質問紙調査はHSCに対する保育所保育士のイメージと保育経験について明らかにするめ、令和4年2月に保育所保育士を対象に留置き法にて調査を実施した。調査票は9施設に計177通配布され、147通が回収された(回収率83%)現在データを統計分析中である。 令和4年度(研究3年目)はHSCに対する保育所保育士の意識や支援実態、コンピテンシー等に関する調査項目の精査を行い、本調査および結果分析の実施を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度の研究が「やや遅れている」とした理由は以下2点である。
(1)令和2年度(研究1年目)コロナウイルス感染の流行等により当初計画通りに研究を遂行できなかったことから、全体的に進行が遅れている。
(2)令和3年度はインタビューHSCに関するインタビュー調査および質問調査を実施し、一定の成果を得ることができた。本調査のための質問項目は作成段階にあり、予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度はこれまでの研究成果をふまえ、HSCに対する保育所保育士の意識や支援実態、コンピテンシー等に関する調査項目の精査および本調査を実施する。本調査は①無記名・自記式の質問紙調査(郵送法)を実施、②対象は全国の認可保育所に勤務する保育士とする。その後、回収された調査データの統計分析を行う。また、学術雑誌や学術集会等で結果を公表し、研究成果を社会へ発信する。
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Causes of Carryover |
令和2年度(研究1年目)コロナウイルス感染の流行等により当初計画通りに研究を遂行できなかったことから、全体的に進行が遅れている。 令和3年度はHSCに関する予備的調査を実施し、一定の成果を得ることができたが本調査の実施はできなかった。したがって、特に質問紙調査実施にかかわる郵送費、印刷費、アルバイト謝金などを令和3年度までに支出できておらず、次年度使用額が生じている。令和4年度はこれら経費を調査研究のために使用予定である。
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Research Products
(1 results)