2020 Fiscal Year Research-status Report
精神科病院における治療共同体を基盤とした効果的支援モデルの構築と有効性の検証
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20K02300
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Research Institution | Gunma University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
鈴木 秀夫 群馬医療福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20458467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新藤 健太 群馬医療福祉大学, 社会福祉学部, 助教 (00752205)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 治療共同体 / プログラム評価 / 効果的援助要素 / GP事例実践家 / インパクト理論 / プロセス理論 / 精神科スーパー救急 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画では今年度は第Ⅰステージ、第Ⅱステージ、第Ⅲステージを実施予定している。第Ⅰステージの仮のインパクト理論、プロセス理論作成はほぼ終了している。第ⅡステージのBP事例病院への訪問調査がコロナ禍により実施できていない。しかしその分、共同研究者の他に2名の研究協力者をチームに加えることができ第Ⅰステージで完成させた仮のインパクト理論、プロセス理論に基づき焦点面接調査票(インタビューガイド)の作成に入っている。ここから症状が重い精神障害者の早期退院、そして地域での安定生活の実現をプログラムゴールとする治療共同体の効果的援助要素(効果的プログラム要素)の抽出作業に入る。これが研究フィールドである協働する実践家参画のガイドになる。 コロナ禍にあっても調査対象であるGP事例の実践家・キーマンと連絡は取り、次年度の訪問についての話し合いは進んでいる。これが予備的プログラム評価調査の実施になる。又研究者の所属大学の所在地にある3つのスーパー救急病棟を運営している病院とも訪問調査の約束が取れ、BP事例病院の後に訪問を予定している。こちらの実践家としては現在、精神保健福祉士としてスーパー救急病棟所属のソーシャルワーカーを窓口にしてある。これが第Ⅲステージにつながるもので準備はできている。 今研究の要はのぞえ総合心療病院で取り組まれ、成果を上げてきた治療共同体を基盤にした効果的プログラムを評価することで当該病院から送られてきた論文集や学会発表を時系列で並び替え可視化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の第Ⅰステージはおおむね完了しているが第Ⅱステージ、第Ⅲステージの研究フィールドへの訪問調査が足踏み状態にある。昨年からのコロナ禍の影響が強く、調査対象地が福岡県で、しかも群馬県からは必ず東京を経由しなければならず困難な状態が続いている。PCR検査も準備していたが今回の福岡県を含む緊急事態宣言である。 オンラインでの対応やzoomの利用も考え、研究継続用バックアップや高機能なパソコンも考慮中である。しかし訪問調査での現地のリアリティーをつかんだり、効果的援助要素項目の細部については少し遅れても訪問調査を重要で欠くことのできない作業であり実施したい。
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Strategy for Future Research Activity |
まず第Ⅲステージの研究計画を実施する。暫定的効果モデルの構築を目指す。 ①GP事例に関わる実践家とプログラム評価の合同ワークショップを開催する。7月初めに予定している訪問調査において効果的援助要素の検討作業と並行し合同ワークショップの開催に向けた調整も予定している。 ②プログラム実施マニュアル作成は大学夏休み中の訪問調査でGP事の実践家と検討に入る。これも上記合同ワークショップ開催の中で進めていく。 いずれにしても全国のコロナワクチン接種状況を見て条件が整い次第、訪問調査を実施する。できれば7月中に一度訪問調査を行い、大学の夏休み中(8月3日から9月23日)に2回以上調査を継続したい。その間研究チームで治療共同体の先行研究の文献レビューや効果的援助要素項目の検討を開始する。なお訪問調査には研究代表者と研究協力者を予定している。 現在研究チームでは分担を決め治療共同体の先行研究文献レビューを始めている。
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Causes of Carryover |
研究者にとって初めての研究活動であり、研究費を機動的に取り組めなかったことが上げられる。 その中、一番大きな理由は訪問調査を全く実施できなかったことにある。研究フィールドが福岡県であり、研究実施状況報告で述べた通り訪問調査が困難であった。その分次年度は3回以上の訪問を予定しており、なお研究協力者も調査に同行してもらう予定でいる。 また研究環境を整えるものとしてコピー機やシュレッターも次年度は購入を予定し起案も出している。さらにzoom等のバックアップ機器も必要と考えている。又高機能のパソコンも必要になるのではないかと計画をしている。
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