2020 Fiscal Year Research-status Report
社会的養護の比較歴史社会学的研究――日韓比較を通じた分析枠組みと指標の構築
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20K02303
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
野辺 陽子 大妻女子大学, 人間関係学部, 准教授 (50722518)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会的養護 / 里親 / 施設 / 親族 / 養子縁組 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目にあたる今年度は、英語圏の文献を中心に、社会的養護と関連領域(比較福祉国家論、家族政策など)の国際比較に関する文献をレビューし、社会的養護の動態を分析するための枠組みと指標を予備的に考察した。その際の具体的な論点は、第一に、施設と里親といっても、中身は多様であるため、施設・里親それぞれ内部の多様性、第二に、社会的養護体制の歴史的展開や社会的文脈(家族法改正、人口政策、新自由主義改革など)、第三に、脱施設化し、社会的養護が里親中心へと転換した後の実態、すなわち当事者(里子・里親・実親)を含む関係者に認識されている課題である。 また、過去に論文としてまとめた1980年代末までの韓国の特に国際養子縁組に焦点を当てた社会的養護の展開について再分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ過に対する教育上の対応に追われ、研究に割ける時間が大幅に減少したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度できなかった社会的養護に関する韓国語の資料(韓国社会保健研究院の報告書や関連団体の資料など)を収集し、韓国の社会的養護の歴史と実態の調査を行う。1980年代末までは申請者の研究が進んでいるため、1990年代~現在に至る30年間の動きを重点的に調査する。韓国で資料収集と関係者(保健福祉部、女性家族部、児童相談所、児童養護施設、家庭委託機関など)へのインタビュー調査を考えているが、コロナ過のため引き続き渡航がかなわないため、インタビューなどはオンラインに切り替えて進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ過により教育上の対応に追われ、当初予定していた研究活動ができなかった。次年度もコロナ過が続くため、渡航ができず、文献研究が主になり、インタビュー調査や学会参加はオンラインになる予定である。
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