2021 Fiscal Year Research-status Report
非正規シングル女性への「社会保障リテラシー」獲得による自立支援に関する研究
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20K02311
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
森 詩恵 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (30341283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 良子 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 客員研究員 (10183089)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非正規労働者 / シングル女性 / 社会保障リテラシー / 女性労働 / 貧困 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、前年度実施した「2020年度非正規で働くシングル女性の実態調査」の調査分析をさらに進め、今年度実施する「学習会」でのプログラム構築に有益な情報を得ることができた。 また、実際に非正規労働者の支援を行っている連合大阪、大阪府労働局の担当者と研究会を開催し、この実態調査結果の情報共有と担当者への現状ヒアリングも行った。ヒアリング調査では、非正規労働者の相談内容や支援の現状について把握することができ、非正規労働者、非正規シングル女性のおかれている状況の厳しさ、支援の難しさ、今後の課題を把握することができた。 さらに、この実態調査結果をもとに、社会政策学会関西部会において「共通論題」(「非正規雇用と就職氷河期世代の就労支援課題」)として設定し、本研究の中間報告を行った。非正規シングル女性に対する支援において、その現状に対する意見交換、社会保障リテラシー獲得の重要性とその支援についての課題を議論することができた。また、非正規シングル女性のワークライフバランスの重要性の視点から、「ケアを担う人々への支援と課題~非正規女性家族介護者の複合的困難~」というテーマで、非正規シングル女性の介護問題について報告を行った。 社会への情報発信、研究成果の公表という観点からは、この実態調査結果概要を大学のホームページで公開し、プレスリリースも行った。その結果、大阪日日新聞(2021年5月26日)、毎日新聞(2021年11月26日)、北海道新聞(2021年122月26日)に掲載され、ネットニュースでも取り上げられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の設定した研究課題、①労働組合・支援者団体へのヒアリングを実施し、非正規シングル女性の現状と課題を具体的に把握することができた。また、実態調査分析を基礎に、今年度実施する学習会のプログラム構築にも取り掛かることができた。また、学会報告、社会への情報発信(ホームページでの公開やプレスリリース)を行うことができた。新聞記事などに取り上げられたことから、本研究テーマについての社会での関心が高いことも理解できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、非正規シングル女性に対する学習会を計画・実施し、そのプログラムを構築する。また、あわせて、よりよいプログラムの構築に向けて、企業や支援者団体への追加ヒアリングも実施する。そのうえで、「社会保障リテラシー」獲得の重要性と自立支援政策について検討し、非正規シングル女性に対する支援の政策的課題を明確化する。また、今年度が研究最終年度であるため、論文の執筆や学会報告を行い、研究成果を発信する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度は、コロナ禍のもとで、旅費を伴うヒアリング調査(国内外)が実施することができなかった。今年度は、昨年実施できなかった現地でのヒアリング調査(国内)を実施し、また追加で新しいWeb調査を実施する予定である。
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Research Products
(5 results)