2020 Fiscal Year Research-status Report
本人中心のケアに向けた多職種協働の深化を評価する生活支援記録法を活用した実証研究
Project/Area Number |
20K02312
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
田中 真佐恵 摂南大学, 看護学部, 助教 (40608543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 史 大阪健康福祉短期大学, その他部局等, 教授 (70455038)
伊藤 明代 大阪健康福祉短期大学, その他部局等, 准教授 (70792399)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生活支援記録法 / 専門職連携実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「生活支援記録法」を活用し、多職種協働の深化を実証する研究を行うものである。特に、高齢者介護施設において看護職と福祉・介護職の協働に焦点をあて、生活の場における現場実践の中で自職種も含む多職種の価値を理解し、職種間コミュニケーション力を促進する効果が期待され、医療と介護のIPW(Interprofessional Work :専門職連携実践)を促進するモデルになることを実証する研究である。そのため、高齢者介護施設における看護職と福祉・介護職が、どのように当事者本人の言動に着目し、どのような価値をもってアセスメントを行っているかを具体的に明らかにする。 令和2年度は、研究参加施設における多職種の協働の現状を、多職種カンファレンスの参加・インタビュー調査によって具体的に把握する予定であった。また、介護施設の多職種職員に向けた「生活支援記録法」の講習会を1年間で数回実施することも考えていた。しかし、新型コロナ感染症蔓延のため、高齢者施設での研究を進めることが出来なかった。 令和2年度は、高齢者施設での新型コロナ感染症対策の現状を聞き取り、研究開始の目途について検討を重ねた。 また、これまでの特別養護老人ホームと介護老人保健施設における多職種協働についての研究をまとめた結果、看護職と福祉・介護職間における価値の共有を促進する効果が示唆された。これらの結果について学会発表や報告書作成を行った。さらに、今後の調査分析を進めるための文献検討や研修受講を行った。今後は、これまでの研究成果を学術雑誌へ投稿を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症蔓延により、その対策を余儀なくされ研究のエフォート率が大幅に下がった。 これまでの研究を総括し今回の調査の前段階とする課程が整えられたため、倫理審査申請書を作成している途中である。しかし、令和2年度1年間を通して、高齢者施設における新型コロナウイルス感染拡大の予防の理由で施設への立ち入りが難しく、施設職員が多忙な事もあったため、研究を進めることが困難であった。 令和2年度の期間も施設代表者との連携や研究協力者との連携をとり、高齢者施設対象の調査を円滑にスタートできるようにしていた。今後、新型コロナ感染症の感染拡大状況がやや落ち着いてきた時期に協力を得られる目途がある。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れているが、令和3年度は当初の計画通り研究参加施設における多職種の協働の現状を、多職種カンファレンスの参加・インタビュー調査によって具体的に把握する予定である。また、介護施設の多職種職員向けに「生活支援記録法」の講習会を1年間で数回実施する予定もある。 高齢者施設の感染対策状況を鑑みて調査や講習会を進めることにする。また、新型コロナ感染症拡大が継続する可能性も考え、可能な限りオンラインでの実施も視野に入れている。なお、研究参加施設は、これまでに申請者が事例検討を実施し、その後も懇意にしている施設に依頼する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症蔓延のため、その対応に追われ研究が進められなかったため、研究を進めるために必要な実費(研究支援ソフト、旅費、謝金、人件費)を使用しなかった。 令和3年度の使用予定は、オンラインでの調査も視野に入れているため、必要な備品等(パソコン、マイクスピーカー、ウェブカメラ、ZOOMライセンスなど)に充てることにしている。また、研究を進めるための分析補助や謝金も予定している。
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Remarks |
田中真佐恵 ,伊藤明代,小田史,高倉弘士著、特別養護老人ホームの介護職・看護職のICF事例ワークにおける人物像・ケア方針の捉え方 調査研究報告書、2020年5月発行
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Research Products
(9 results)