2020 Fiscal Year Research-status Report
経口摂取可能なインスリン代替機能性成分の実用化に向けた研究
Project/Area Number |
20K02329
|
Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
友寄 博子 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (10347700)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 剛 崇城大学, 薬学部, 教授 (80295138)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 海藻 / 海苔 / のり / 血糖降下作用 / インスリン / 糖尿病 / 機能性食品 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はインスリン様作用物質の簡易抽出法の検討に着手し、工業化に向けた大容量抽出の初期的な結果を得ることができた。まず、抽出時の海苔の加工方法の検討を行った。これまでの微粉末加工から裁断加工に変更して抽出を行ったところ、抽出効率に大きな違いはみられなかった。この初期加工が効率化できただけでも工業的な生産工程の実現に近づくことができた。続いて抽出方法について検討を行った。これまでは試料とする海苔から抽出する際に、水を溶媒としていたため、共存する成分の影響を受けて粘性を増していたことから、分離に非常に手間がかかっていた。本年度は抽出初期から数種類のエタノールにより直接抽出を行うことで、抽出に要する作業時間と工程がかなり削減された。つまり、初期抽出の効率化が図れた。また、この実験で効率よく抽出できるエタノール濃度をある程度絞り込むことができたため、最適なエタノール濃度で先の実験の10倍量に増量して実験を行った。増量しても初期回収率や活性には大きな影響を及ぼさなかったことから、さらに容量を増やして抽出し、工場レベルでの生産に資する結果を得たいと考えている。 作用成分の分離・精製については共同研究者のNMR解析の結果、候補となる物質が出てきたため、さらに精製を進めていく予定である。また、本年度の成果として活性成分の検出に適した波長を確認することができたたため、引き続き同定に向けて検討していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているとした理由は、本年度予定していた研究成果が得られたことと、その成果として雑誌論文として発表することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
作用成分の効率的抽出方法の確立については、抽出用エタノール濃度をより詳細に検討し、コスト削減を図る目的で再度少量抽出による抽出エタノール濃度確定実験を行う。これにより確定できたエタノール濃度を用いて、大容量での抽出実験を進め、引き続き精製工程の効率化も検討していく予定である。 作用成分の精製についてはさらにHPLCによる精製や分析を行うことで物質同定に向けた検討を進めていきたいと考えている。また、作用成分の作用機序を明確にするため、詳細に検討していく予定である。
|
Causes of Carryover |
当該年度は新型コロナウィルスの蔓延により学会がオンラインあるいは中止、県外への不要不急の出張ができなかったことから、旅費の支出が大きく抑えられた結果から支出額が大幅に変更になった。2021年度も学会はオンラインと会場開催が混在している状況でであるが、県外への出張はできないことから、旅費の支出分については論文執筆や研究に関する試薬や機器等の支出に充て、研究内容は今後も変更なく進めていく予定である。
|
Remarks |
発表①発表者名:友寄博子(チーム名:ポルフィラ)、発表標題:インスリン代替製剤とその応用、発表会名:第5回熊本テックグランプリ、発表年月:令和2年(2020年)7月18日 発表②発表者名:友寄博子(チーム名:ポルフィラ)、発表標題:インスリン代替製剤とその応用、発表会名:第1回フードテックグランプリ、発表年月:令和2年(2020年)10月17日
|