2020 Fiscal Year Research-status Report
ケミカルIoTセンサと感性AIによる多元的「おいしさ」モニタリングシステムの開発
Project/Area Number |
20K02330
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
渡部 智希 北海道科学大学, 工学部, 講師 (60254702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 洋一郎 北海道科学大学, 工学部, 教授 (50300504)
一戸 善弘 北海道科学大学, 工学部, 准教授 (40712089)
伊藤 佳卓 北海道科学大学, 工学部, 助教 (90849142)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光計測 / 食品 / 識別 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光学的な理論を基盤として、液状食材などの品質を簡易に評価することを最終目標としている。本年度は実験システムの最適化を以下の通り検討した。 ピッチpをもつ格子に波長λの単色平行光を照射すると、その格子の後方に格子直後と全く同じ周期構造をもつ光の強度分布が得られる。これをTalbot像とよび、この現象をTalbot効果という。また、格子ピッチpの等しい二枚の格子を格子線に対して互いにθわずかに傾けると縞模様が現れ、これをモアレ縞とよぶ。 このコントラストが最大となる2枚の格子の距離(Talbot長Z)は整数の位置に生成される。被検レンズを挿入すると屈折力の大きさによってモアレ縞傾角が変化し、この傾角から屈折力を測定することができる。この時、Talbot長Zも変化し、Talbot長Zkとなる。 この被検レンズ挿入でのTalbot長Zkからのずれによって、屈折力測定に与える影響を検討した。また、モアレ縞最大コントラストを目視で合わせてきたが、Talbot長ずれを最小にするために、画像解析ソフトを利用する方法を検討した。 本光学系における精度を検証するため、被検レンズとして焦点距離1mと4mの単焦点レンズの測定を行った。モアレ縞の太さが均一でコントラストの最も良い位置でカメラ撮影し、傾角 測定は画像処理ソフトウェアを使用した。それぞれのモアレ縞を比較すると、屈折力の大きい1mレンズの方が、4mレンズよりモアレ縞傾角が大きくなっている。この角度から焦点距離を算出したところ、相対誤差は1mレンズで4.3%、4mレンズで3.5%の結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の年度計画に基づき研究を進めている。その一方で、実験システムの最適化といった調整や検証に多くの時間を費やすようになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の研究推進状況を鑑みて、実験システムの構築が最重要課題である。まずは、プロトタイプのシステムの再現性や有用性を見極めるなど、様々な観点から本研究独自の手法を継続して行く予定である。
光学的な実験原理をもとに申請したシステムを組み上げると同時に、市販の小型で軽量なカメラを有効に活用し、双方の利点から新規実験系の開発を進める。
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Causes of Carryover |
研究の最適化を検討しており、次年度使用額が生じた。
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